2022.07.26
研究開発

ブリストル マイヤーズ スクイブ、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬としてOpdualag(ニボルマブと抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤)の承認を推奨するCHMPの肯定的な見解を受ける

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2022年7月22日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


Bristol Myers Squibb

本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2022年7月22日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

ブリストル マイヤーズ スクイブ、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬としてOpdualag(ニボルマブと抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤)の承認を推奨するCHMPの肯定的な見解を受ける

  • PD-L1発現レベルが1%未満の進行悪性黒色腫患者のファーストライン治療薬として、承認が推奨されました。
  • 推奨は、第Ⅱ/Ⅲ相RELATIVITY -047試験の結果に基づいています。同試験では、抗PD-1抗体ニボルマブと新規の抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤による併用療法が、ニボルマブ単剤療法と比較して、無増悪生存期間の中央値を2倍以上に延長しました。
  • 承認されれば、欧州で最初の抗LAG-3抗体を含む併用療法になります。

 (ニュージャージー州プリンストン、2022年7月22日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、PD-L1発現レベルが1%未満の進行(切除不能または転移性)悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児/青年期患者のファーストライン治療薬として、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤による併用療法の承認を推奨したことを発表しました。CHMPの見解は、今後、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査されます。
 ブリストル マイヤーズ スクイブのRelatlimab開発責任者であるPaul Bascianoは、次のように述べています。「進行悪性黒色腫の治療の進展において、当社が長年にわたり果たしてきた役割を大変誇りに思います。患者さんに新しい治療薬をお届けするというミッションの一環として、私たちは免疫療法薬2剤による新しい併用療法の開発を続けてきました。今回のCHMPの肯定的な見解は、EUの進行悪性黒色腫患者さんを対象とした最初の抗LAG-3抗体を含む併用療法、そしてBMSの3つ目の免疫チェックポイント阻害薬の承認に向けた最初の一歩となります。」
 この肯定的な見解は、第Ⅱ/Ⅲ相RELATIVITY -047試験の有効性と安全性の結果に基づいています。同試験では、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤による併用療法が、確立された標準治療であるニボルマブ単剤療法と比較して、PD-L1発現レベルが1%未満の患者を含む集団において、無増悪生存期間(PFS)の中央値を2倍以上に延長しました。EUにおいて提案された適応症は、PD-L1発現レベルが1%未満の患者に関するデータの探索的解析に基づいています。本併用療法では、ニボルマブ単剤療法と比較して、新たな安全性事象は認められませんでした。
 2022年3月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児患者の治療薬として、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤であるOpdualagTM(nivolumab and relatlimab-rmbw)を承認しました。詳細は、米国処方情報の「重要な安全性情報」の項目をご参照ください。
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、RELATIVITY -047試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。

RELATIVITY-047試験について

 RELATIVITY-047試験は、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫患者を対象に、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤での併用療法をニボルマブ単剤療法と比較評価した国際共同無作為化二重盲検第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験です。患者は、PD-L1発現レベルにかかわらず組み入れられました。活動性自己免疫疾患、中等量または高用量の副腎皮質ホルモン剤または免疫抑制剤による全身療法を要する疾患、ぶどう膜黒色腫、活動性または未治療の脳転移または軟髄膜転移を有する患者は、本試験から除外されました。本試験の主要評価項目は、固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST v1.1)を用いた盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による全無作為化患者集団の無増悪生存期間(PFS)です。副次評価項目は、全無作為化患者集団の全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です。患者714例が、ニボルマブ(480 mg)とRelatlimab(160 mg)の固定用量配合剤での併用療法群、またはニボルマブ(480 mg)群に無作為に1:1に割り付けられ、4週間間隔で点滴静注を受けました。投与は、病勢進行もしくは忍容できない毒性が認められるまで、または患者が同意を撤回するまで継続されました。

LAG-3について

 リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、エフェクターT細胞および制御性T細胞(Treg)に発現する細胞表面分子であり、T細胞の応答、活性化および増殖を制御する機能を有しています。非臨床試験において、LAG-3を阻害することにより、疲弊したT細胞のエフェクター機能が回復し、抗腫瘍応答を促進する可能性があることが示唆されています。初期の研究では、LAG-3を他の補完的免疫チェックポイントと併せて標的とすることが、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高めるための重要な方策である可能性が示唆されています。
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、さまざまながん腫を対象とした臨床試験において、抗LAG-3抗体であるRelatlimabと他の薬剤の併用療法を評価しています。

悪性黒色腫について

 悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こります。悪性黒色腫の発生率は、過去30年間にわたり徐々に上昇しています。米国では、2021年に、約106,110人が新たに悪性黒色腫と診断され、関連死亡者数は約7,180人に上ると推定されています。世界保健機関は、2035年までに全世界における悪性黒色腫の罹患者数が424,102人に達し、関連死亡者数は94,308人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に見つかれば大部分が治癒可能ですが、進行するにつれて生存率は低下します。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

Opdualagの適応症および安全性情報について

 米国でのOpdualagの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、CHMPの見解がEMA/ECに対する強制力を有しないという点、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤による併用療法が本プレスリリースに記載された適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。