2022.12.06
ライセンス

米国Equillium社と抗CD6抗体「itolizumab」の開発・商業化に関する独占的オプション権付アセット買収契約を締結

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本日(現地時間 12 月 5 日)、Equillium, Inc.(米国、カリフォルニア州ラホヤ、社長兼CEO:Bruce D. Steel、以下「Equillium社」)と、Equillium社が保有するファーストインクラスの抗CD6抗体「itolizumab」について、独占的オプション権付アセット買収契約を締結しましたので、お知らせします。
 itolizumabは、海外において急性移植片対宿主病を対象に第Ⅲ相試験およびループス腎炎を対象に第Ⅰb相試験が進められています。

 本契約の締結に伴い、当社は契約一時金として35億円、オプション権行使料および開発マイルストンとして最大約180億円をEquillium社に支払います。オプション期間中はEquillium社がitolizumabに関する全ての研究開発を実施し、当社はその費用を負担します。オプション権の行使後、当社は米国、カナダ、オーストラリアおよびニュージーランドにおいて、適応症にかかわらずitolizumabを商業化できる権利を取得します。

 当社の代表取締役社長 相良 暁は、次のように述べています。「今回のEquillium社との提携は、免疫領域における当社の研究開発および革新的な治療薬を創出する取り組みを強化するものです。治療困難な免疫・炎症性疾患治療薬の開発に向けて、Equillium社と提携できることを大変うれしく思います。itolizumabは当社の米国展開を推進する重要な化合物として、グローバルスペシャリティファーマへの道を切り開くものと期待しています。」

 Equillium社の最高経営責任者であるBruce D. Steel は、次のように述べています。「病気と苦痛に対する闘いに挑み日本の医薬品開発をリードする小野薬品とitolizumabのパートナーになることを非常に喜ばしく思います。この戦略的提携は、itolizumabが医療ニーズの高い自己免疫疾患および免疫・炎症性疾患の患者さんにとって新たな治療選択肢となる可能性を改めて示すものです。本提携を通じて、我々は、重篤かつ致死的な疾患である急性移植片対宿主病を対象とした第Ⅲ相EQUATOR試験およびループス腎炎を対象とした進行中の 第Ⅰb相EQUALISE試験を遂行するリソースが確保できました。現在の事業計画では2025年までの資金を十分に確保しており、我々独自の開発パイプラインであるマルチサイトカイン阻害剤についても、円形脱毛症を対象としたEQ101の第Ⅱ相試験、およびセリアック病を対象としたEQ102の第Ⅰ相試験を進めていくことができます。」

 なお、本件による当社の2023 年3 月期の連結業績への影響は軽微ですが、今後、公表すべき事項が生じた場合には、速やかに開示します。

itolizumabについて

 itolizumabはCD6-ALCAM経路を選択的に標的とするファーストインクラスの抗CD6モノクローナル抗体です。この経路は、多くの自己免疫・炎症性疾患を引き起こすT細胞の活性化と遊走の調節に中心的な役割を果たしています。Equillium社はインドのBiocon社との独占的パートナーシップを通じてitolizumabの権利を取得しました。

Equillium, Inc.について

 Equillium社は免疫に関する高度な知識を背景に、アンメットニーズの高い重度の自己免疫・炎症性疾患の治療薬を開発するバイオテクノロジー企業です。パイプラインとして、免疫炎症経路を標的とする以下の新規な免疫調節薬のアセットを有しています。itolizumabは、エフェクター T 細胞の調節において中心的な役割を果たす CD6-ALCAM シグナル伝達経路を標的とするファーストインクラスのモノクローナル抗体です。現在、急性移植片対宿主病患者を対象に第Ⅲ相試験、およびループス/ループス腎炎患者を対象とした第Ⅰb相試験が行われています。EQ101は、IL-2、IL-9およびIL-15を選択的に標的とするファーストインクラスの三重特異性サイトカイン阻害剤です。現在、円形脱毛症患者を対象とした第Ⅱ相(proof-of-concept)試験の患者登録が進められています。EQ102は、IL-15およびIL-21を選択的に標的とする二重特異性サイトカイン阻害剤です。現在、健常人およびセリアック病患者を対象とした第Ⅰ相試験の被験者登録が行われています。
 詳細については、www.equilliumbio.com をご覧ください。