企業理念および基本方針
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる革新的な新薬の創製を目指し、積極的な努力を続けています。
また、人の生命に関わる医薬品を取り扱う製薬企業としての責任を深く自覚し、法令遵守はもとより高い倫理観に基づき行動すべく、コンプライアンスの一層の強化に努めています。
価値創造プロセス
独創的かつ革新的な新薬を持ち、世界のフィールドで闘える
グローバル スペシャリティ ファーマ

サステナブル経営方針
次の100年に向け、持続可能な社会の実現のために
サステナブル経営方針を新たに策定しました。

成長戦略
企業と社会の継続的な成長に向けた成長戦略

▽「製品価値最大化~患者本位の視点で~」
患者さんとその家族の視点に立って、スピーディかつ効果的な開発、競争力のあるマーケティング、そして精緻な情報提供・収集に取り組みます。主力製品の一つであるオプジーボでは、適応がん腫や治療ラインの拡大、 併用療法の開発を進めており、製品のポテンシャルを最大限引き出せるよう取り組んでいます。
▽「パイプライン強化とグローバル開発の加速」
持続的な成長を目指し、がん、免疫、神経、スペシャリティを重点研究領域に据え、世界をリードする大学やベンチャー企業との共同研究・創薬提携を強化するとともに、革新的な化合物の導入を積極的に進め、パイプラインの充実を図っていきます。そして、それらについて、欧米を含むグローバルな臨床開発を加速していきます。
▽「欧米自販の実現」
欧米での販売を実現し、より多くの患者さんの医療ニーズに貢献するとともに、持続的な成長を目指します。既に自社販売を開始している韓国、台湾に加え、今後は欧米でも自販を目指します。現在、米国でのONO-4059(ベレキシブル錠)をはじめ、欧米で複数の開発プロジェクトを進めており、早期の自社販売体制を構築します。
▽「事業ドメインの拡大」
ヘルスケア分野の拡大するニーズをとらえ、新たな価値の提供を目指します。小野薬品ヘルスケア株式会社は本年、蓄積した研究資産を生かし、機能性表示食品睡眠サプリメント「REMWELL(レムウェル)」を発売しました。今後も医療用医薬品で培ったノウハウを活用することで新たな事業を創出し、健康寿命の延伸など社会課題の解決に挑戦します。
【成長戦略を支える経営基盤 : 無形資産の拡充】
成長戦略を支える経営基盤として、グローバル化を見据えたIT基盤への刷新や、創薬バリューチェーンの変革をはじめとしたデジタルトランスフォーメーションの推進、世界を舞台にビジネスができるグローバル人財や経営人財の育成等の無形資産の拡充に努めてまいります。
マテリアリティ(経営の重要課題)
持続可能な企業と社会の実現に向けマテリアリティを再特定しました。

中長期投資方針
持続的な成長のためには戦略的な投資が欠かせません。積極的な成長投資により研究開発費は増加するものの、売上収益の拡大により利益拡大を図ることで、ROEの水準を高めていきます。また、株主還元をバランスよく行い、適切な株主資本の水準を保っていきます。
投資方針
積極的な研究開発投資や戦略投資を行うなかでも、当社の投資採択基準を厳格に適用し、価値創造の担保と利益の確保に努めます。2022年度から2026年度の5年間は、2021年度と比較して1桁台後半の年平均成長率で売上収益の拡大を図ります。そして、売上収益の20~25%程度を研究開発に投資しつつ、営業利益率は25%以上を維持することを目指します。これらの水準を目標とした売上収益の拡大と積極的な研究開発投資によって利益拡大を図ることで、短期志向に陥ることなく株主資本コストを上回るROEを達成できると考えています。
資金調達については、円滑な事業活動に必要となる流動性を確保し、市場環境などを考慮したうえで、有効かつ機動的に実施していきます。当社グループでは流動資産が流動負債を大きく上回っており、資金の源泉については、事業から得られる資金と内部資金を充当しています。

成長投資
独創的かつ画期的な新薬の創製を目指すとともに、開発パイプラインの拡充を実現するため、積極的な研究開発投資を行っています。売上収益の拡大とともに、研究開発費をまずは1,000億円台まで拡大し、2022年から2026年の5年間累計で6,000億円規模の研究開発投資を行う予定です。
具体的には、世界最先端の技術を有するバイオベンチャーとの創薬提携はもとより、大学などの研究機関との創薬研究につながる研究提携を積極的に進めていきます。2021年度末時点では国内外で200件以上の共同研究を行っており、今後もさらに拡大していく予定です。また、数年で上市が期待できる開発後期段階の化合物はもとより、開発早期段階(前臨床やフェーズⅠ段階)であっても魅力的な化合物については積極的に獲得すべく、ライセンス活動を強化しています。
さらに、2020年7月に設立した「Ono Venture Investment FundI, L.P.」ではシード期にある創薬ベンチャーへの投資を行います。なお、通常の研究開発費とは別に、PoCを確立した化合物のグローバル権利を獲得するなど創薬事業強化を目的に、今後5年間で1,500億~2,000億円の投資を行っていきたいと考えています。
