米国 Cue Biopharma社と二重特異性融合タンパク質「CUE-401」に関するオプション契約および提携契約を締結
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本日、Cue Biopharma, Inc. (本社:米国、マサチューセッツ州ボストン、CEO:Daniel Passeri、以下「Cue社」)と自己免疫・炎症性疾患領域において制御性T細胞(Treg)を誘導・増殖させるようデザインされた二重特異性融合タンパク質であるCUE-401に関するオプション契約および提携契約を締結しましたので、お知らせします。
本契約の締結に基づき、当社はCUE-401を全世界で開発・商業化するためのオプション権を取得します。Cue社は米国での共同開発・商業化に関するオプション権を留保します。当社は契約一時金をCue社に支払うとともに、当社がオプション権を行使後は開発および売上高の進捗に応じたマイルストンとして最大で約2.2億ドル、ならびに上市後の売上高に応じた段階的なロイヤルティをCue社に支払います。
なお、オプション期間中は、Cue社が研究開発を担い、当社がその研究開発費を負担します。
CUE-401は、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)およびインターロイキン2(IL-2)の送達によりTregを誘導・増殖させるようデザインされた二重特異性融合タンパク質です。Cue社がこれまでに実施してきた非臨床試験において、その誘導・増殖作用が確認されており、幅広い自己免疫・炎症性疾患に有効性を示す可能性を秘めています。
当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野 十一は、次のように述べています。「当社は、新しい治療モダリティとして、Cue社独自のタンパク質のエンジニアリングプラットフォームを高く評価しており、本提携を通じてCue社のバイオロジーのチームと協働できることをうれしく思います。私たちはCUE-401が自己免疫疾患や炎症性疾患の患者さんを助ける薬剤としてポートフォリオに加えられるよう取り組んでいきます。 」
Cue社のCEOであるDaniel Passeriは、次のように述べています。「科学的イノベーションの実績を有し、日本の製薬会社をリードする小野薬品との戦略的提携は、Cue社にとって重要な成果であり、Cue社は戦略的パートナーのサポートを通じて、この有望なバイオ医薬品の開発をさらに進めることができます。また当社は米国市場での共同開発権を留保することにより当社の株主に対する潜在的価値を維持しながら、CUE-401を臨床開発に向けて前進させるために必要なリソースおよび開発力を確保しました。」
Cue Biopharma社について
Cue社は、患者の体内で疾患特異的なT細胞を選択的に誘導する新規のバイオ医薬品の開発に取り組む臨床段階のバイオ医薬品企業です。Cue社独自のプラットフォームであるImmuno-STATTM(Selective Targeting and Alteration of T cells)およびバイオ医薬品は、生体外での操作や広範な全身性の免疫調節を必要とせずにT細胞誘導薬として体内に備わる免疫系を利用できるように設計されています。
Cue社はマサチューセッツ州ボストンに本社を置き、免疫学およびがん免疫学、ならびにタンパク質バイオ医薬品の設計および臨床開発に深い専門知識を有する経験豊富な経営チームと独立した取締役によって運営されています。詳細な情報については、www.cuebiopharma.com をご参照いただくか、Twitter、https://twitter.com/CueBiopharma をご覧ください。