2023.07.12
研究開発

オプジーボとシスプラチンを含む化学療法の併用療法、第Ⅲ相CheckMate -901試験においてシスプラチンを含む化学療法に適格な切除不能または転移性尿路上皮がん患者に対して全生存期間および無増悪生存期間でベネフィットを示す

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2023年7月11日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年7月11日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

オプジーボとシスプラチンを含む化学療法の併用療法、第Ⅲ相CheckMate -901試験においてシスプラチンを含む化学療法に適格な切除不能または転移性尿路上皮がん患者に対して全生存期間および無増悪生存期間でベネフィットを示す

CheckMate -901試験は、この患者集団のファーストライン治療において、免疫療法薬による併用療法が標準治療であるシスプラチンを含む併用療法と比較して、生存ベネフィットを示した初めてかつ唯一の第Ⅲ相試験です。

 (ニュージャージー州プリンストン、2023年7月11日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -901試験のサブ試験の最終解析において、2つの主要評価項目である全生存期間(OS)および盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)の両方を達成したことを発表しました。サブ試験の結果では、シスプラチンを含む化学療法に適格な切除不能または転移性尿路上皮がん患者のファーストライン治療として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とシスプラチンを含む化学療法の併用療法後に続くオプジーボ単剤療法によるレジメンが、標準治療であるシスプラチンを含む併用療法と比較して、OSおよびPFSで統計学的に有意なベネフィットを示しました。尿路上皮がんのファーストライン治療において、オプジーボとシスプラチンを含む化学療法の併用療法の安全性プロファイルは良好な忍容性を示し、これまでに報告されているものと一貫していました。新たな安全性の懸念は認められませんでした。
 ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼泌尿生殖器がん領域グローバル開発プログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「本日のニュースにより、免疫療法薬による併用療法ががん患者さんの予後に変革をもたらす可能性がまたひとつ示されました。オプジーボとシスプラチンを含む化学療法の併用療法は、シスプラチンを含む化学療法に適格な未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者さんにおいてOSおよびPFSの両方を改善した初めての免疫療法薬による併用療法であり、進行腎細胞がんにおける持続的な生存期間の延長や切除可能な筋層浸潤性尿路上皮がんにおける再発リスクの低減など、さまざまな泌尿生殖器がんに対してオプジーボによる治療法のベネフィットを裏付けています。私たちは、今回の肯定的な結果に勇気づけられ、アンメットニーズが高い患者さんに今後も新たな治療法をお届けできるよう尽力してまいります。CheckMate -901試験にご参加いただいた患者さん、治験担当医師そしてすべての治験施設の皆様にお礼を申し上げます。」
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、今後データの全評価を完了させ、学会で結果を発表するとともに、規制当局と協働してまいります。
 CheckMate -901試験の主要試験は、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を標準治療であるシスプラチンまたはカルボプラチンを含む化学療法と比較評価する試験で、シスプラチンに不適格な患者コホートを対象に進行中です。オプジーボは、これまでに転移性尿路上皮がんのセカンドライン治療および根治切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がんの術後補助療法など、尿路上皮がんのさまざまな治療段階において臨床ベネフィットを示しています。
 切除可能または転移性尿路上皮がんのほか、オプジーボ単剤療法およびオプジーボによる併用療法は、これまでに進行腎細胞がん、非小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫、転移性悪性黒色腫、および食道扁平上皮がんを含む複数のがん腫に対する第Ⅲ相試験でOSの有意な改善を示しています。

CheckMate -901試験について

 CheckMate -901試験は、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法(主要試験)またはオプジーボと化学療法の併用療法(サブ試験)を標準化学療法単独と比較評価した無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。
 CheckMate -901試験のサブ試験では、シスプラチンを含む化学療法に適格な患者608例が、オプジーボ360 mgと化学療法を3週間間隔で投与する群、または化学療法単独の群のいずれかに無作為に割り付けられました。サブ試験の主要評価項目は、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)です。
 シスプラチンを含む化学療法に適格な患者のOSおよびPFSの結果は、CheckMate -901試験のサブ試験における同評価項目の最終有効性解析に基づくものです。

尿路上皮がんについて

 膀胱がんは世界で10番目に多いがん腫であり、毎年573,000人以上が新たに診断されています。膀胱の内側に並ぶ細胞で最も多く発生する尿路上皮がんは、膀胱がんの約90%を占めています。尿路上皮がんは、膀胱に加えて、尿管および腎盂を含む尿路の他の部分に発生することがあります。尿路上皮がんの大多数は早期に診断されますが、切除術を受けた患者の約50%が術後2~3年以内に進行・再発します。また、尿路上皮がん患者の約20~25%が転移性疾患を発症します。化学療法単独によるファーストライン治療では奏効の持続性が良好でなく、転移性がんの治療における大きな課題となっています。また、進行尿路上皮がん患者のセカンドライン治療には、限られた治療選択肢しかありません。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、本プレスリリースに記載された併用療法の今後の試験結果が良好でない可能性、およびそのような併用療法の本プレスリリースに記載された追加の適応症の開発と商業化が成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。