2023.10.19
研究開発

オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法が、CheckMate -816試験の3年間の追跡調査でPD-L1発現レベルにかかわらず切除可能な非小細胞肺がん患者でベネフィットを示す

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2023年10月17日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年10月17日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法が、CheckMate -816試験の3年間の追跡調査でPD-L1発現レベルにかかわらず切除可能な非小細胞肺がん患者でベネフィットを示す

  • PD-L1発現レベルにかかわらず、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法は、化学療法単独と比較して、再発、病勢進行または死亡のリスクを低減しました。
  • 第Ⅲ相CheckMate -816試験の探索的解析結果は、2023年欧州臨床腫瘍学会年次総会の最新口頭プレゼンテーションで発表されます。

 (ニュージャージー州プリンストン、2023年10月17日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -816試験の3年間の追跡調査における探索的解析結果を発表しました。本試験では、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法(3サイクル)の術前補助療法が、PD-L1発現レベルにかかわらず、無イベント生存期間(EFS)の維持および良好な全生存期間(OS)の改善傾向を示しました。オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法は、化学療法単独と比較して、PD-L1発現レベルが1%以上および1%未満の患者集団において、病理学的完全奏効(pCR)およびMajor Pathological Response(MPR)の改善も示しました。オプジーボを含むレジメンの安全性プロファイルは、PD-L1サブグループ全体で一貫していました。これらの結果は、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会にて、2023年10月23日、午前8時45分~9時55分(米国東部夏時間)/14時45分~15時55分(中央ヨーロッパ夏時間)に最新口頭プレゼンテーションで発表されます(抄録番号#LBA57)。
 スペインのマドリードにあるプエルタ・デ・イエロ大学病院腫瘍内科部門のMariano Provencio Pulla(M.D., Ph.D.)は、次のように述べています。「オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法の3年間のデータは、切除可能な非小細胞肺がんの治療において、引き続き統計学的に有意かつ臨床的に意義のある結果を示しており、長期ベネフィットの可能性という希望を患者さんにもたらします。免疫療法薬を含む併用療法によるこの術前補助療法が、有効性の評価全体で改善を示していることに勇気づけられています。この改善は、高いアンメットニーズに直面し、本試験の患者集団の約40%を占めるPD-L1非発現のサブグループを含め、PD-L1発現レベルにかかわらず認められました。CheckMate -816試験のデータは、このレジメンが化学療法単独と比較して、患者さんにより良いアウトカムをもたらす可能性をはっきりと示しています。」
 CheckMate -816試験の中央値41.4カ月の追跡調査における探索的解析の結果は以下の通りです:

  • OS:本追跡調査時点のOSデータはまだ未成熟ではあるものの、PD-L1発現レベルが1%以上および1%未満の患者集団の両方で、OSの良好な改善傾向が認められました。PD-L1発現レベルが1%以上の患者では、オプジーボと化学療法の併用療法が死亡のリスクを63%低減しました(ハザード比 [HR] 0.37;95% 信頼区間 [CI]:0.20 - 0.71)。3年生存率は、化学療法単独と比較して、オプジーボと化学療法の併用療法で良好でした(併用療法群85% vs 化学療法単独群66%)。PD-L1発現レベルが1%未満の患者では、オプジーボと化学療法の併用療法が死亡のリスクを19%低減し(HR 0.81;95% CI:0.48 - 1.36)、3年生存率は、併用療法群で71%、化学療法単独群で60%でした。
  • EFS:PD-L1発現レベルが1%以上の患者における3年EFS率は、オプジーボと化学療法の併用療法で72%、化学療法単独で47%でした(HR 0.46;95% CI:0.28 - 0.77)。PD-L1発現レベルが1%未満の患者における3年EFS率は、オプジーボと化学療法の併用療法で42%、化学療法単独で39%でした(HR 0.87;95% CI:0.57 - 1.35)。
  • pCR:PD-L1発現レベルが1%以上の患者におけるpCR率は、オプジーボと化学療法の併用療法で32.6%、化学療法単独で2.2%でした。PD-L1発現レベルが1%未満の患者におけるpCR率は、オプジーボと化学療法の併用療法で16.7%、化学療法単独で2.6%でした。
  • MPR:PD-L1発現レベルが1%以上の患者におけるMPR率は、オプジーボと化学療法の併用療法で44.9%、化学療法単独で5.6%でした。PD-L1発現レベルが1%未満の患者におけるMPR率は、オプジーボと化学療法の併用療法で29.5%、化学療法単独で14.3%でした。
  • 根治手術:PD-L1発現レベルが1%以上の患者における根治手術率は、オプジーボと化学療法の併用療法で84%、化学療法単独で74%、PD-L1発現レベルが1%未満の患者では、オプジーボと化学療法の併用療法で81%、化学療法単独で77%でした。そのうち、PD-L1発現レベルが1%以上の患者における根治切除達成率は、オプジーボと化学療法の併用療法で91%、化学療法単独で82%、PD-L1発現レベルが1%未満の患者の根治切除達成率は、オプジーボと化学療法の併用療法で79%、化学療法単独で76%でした。

 ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼胸部がん領域グローバル開発担当であるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「今年のESMOで、当社は切除可能ながんに対する2件の試験を含め、非小細胞肺がんのさまざまな病期および治療段階における複数試験のデータを発表します。これは腫瘍が最も治療に反応しやすく、患者さんの免疫系が最も活発な早期段階にがんを治療する重要な機会であるため、私たちが極めて重視し、取組んでいる研究領域です。CheckMate -816試験において、PD-L1発現レベルにかかわらず、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法のレジメンで一貫した結果が得られたことを大変うれしく思います。本試験は、この併用療法が世界中で複数の承認を取得する根拠となったベネフィットを裏付けるものです。当社は本臨床試験にご参加いただいたすべての患者さんと治験医師の皆様に、心より感謝申し上げます。」
 オプジーボ単剤療法とオプジーボを含む併用療法は、肺がん、膀胱がん、食道/胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫の4つの早期がんの術前補助療法、術後補助療法または周術期療法においてさらに有効性を示しています。

CheckMate -816試験について

 CheckMate -816試験は、PD-L1発現レベルにかかわらず、切除可能なステージⅠB~ⅢAの非小細胞肺がん(米国がん合同委員会/国際対がん連合病期分類第7版による)患者の術前補助療法として、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法単独と比較評価した多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。主要解析には、患者358例がオプジーボ360 mgと組織型に基づくプラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用療法を3週間間隔で3サイクル行う群、またはプラチナ製剤を含む化学療法2剤を3週間間隔で3サイクル行う群のいずれかに無作為に割り付けられ、その後、手術が施行されました。本試験の主要評価項目は、無イベント生存期間(EFS)および病理学的完全奏効(pCR)でした。副次評価項目は、全生存期間(OS)、Major Pathological Response(MPR)および死亡または遠隔転移までの期間(TTDM)等でした。

肺がんについて

 肺がんは、全世界でがんによる死因の第1位となっています。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、診断の最大84%を占めています。NSCLCと診断された患者の過半数が非転移性疾患であり(約60%、そのうち最大半数が切除可能)、今後がん検診プログラムが強化されるにつれて、さらに大きな割合を占めるようになると予測されています。非転移性NSCLC患者の多くが手術で完治するものの、切除したにもかかわらず30%~55%が再発し、がんで亡くなられます。長期的なアウトカムを改善するために、手術前に投与(術前補助療法)および/または手術後に投与(術後補助療法)する治療選択肢が必要とされています。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および独自の研究プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
 がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、オプジーボ(ニボルマブ)と化学療法の併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られたとしてもその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。