2023.12.19
研究開発

ブリストル マイヤーズ スクイブ、治療歴を有するマイクロサテライト安定性(MSS)の進行大腸がん患者を対象にニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤を評価するRELATIVITY-123試験の最新情報を発表

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2023年12月15日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年12月15日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

ブリストル マイヤーズ スクイブ、治療歴を有するマイクロサテライト安定性(MSS)の進行大腸がん患者を対象にニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤を評価するRELATIVITY-123試験の最新情報を発表

 (ニュージャージー州プリンストン、2023年12月15日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:クリストファー・バーナー)は、本日、進行疾患に対する1回以上4回以下の前治療後に疾患進行したマイクロサテライト安定性(MSS)の進行大腸がん(mCRC)の治療薬として、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤を評価する第Ⅲ相RELATIVITY-123試験が、あらかじめ計画された独立データモニタリング委員会による解析に基づき、無益性により中止されることを発表しました。この試験は、終了時に主要評価項目を達成する可能性は低いと判断されました。
 試験中止の勧告は、安全性への懸念に基づいたものではありませんでした。本試験の安全性プロファイルは、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤で以前に報告されているものと一貫していました。
 他のがん腫に対するニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤の評価に関しては、計画通り継続されます。これらの結果は、現在、承認されている切除不能または転移性悪性黒色腫患者に対する適応症には影響ありません。
 ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼グローバルプログラム責任者であるJeffrey Walch(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「進行大腸がんはアンメットニースが高く、治療困難ながんです。高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)大腸がん患者の治療は進歩していますが、マイクロサテライト安定性(MSS)大腸がん患者に対しては、後期治療では依然として治療選択肢が限られています。これまで、免疫療法のMSS大腸がんに対する有効性は限定的であり、私たちはこの患者集団に対して意義のある臨床的ベネフィットを示すものと期待していましたので、今回の結果には失望しています。ブリストル マイヤーズ スクイブは、引き続き、MSI-HまたはdMMR大腸がんに対してオプジーボ(ニボルマブ)とヤーボイ(イピリムマブ)を含む免疫療法薬の開発に取り組んでまいります。本試験にご参加いただいた治験担当医師、患者さんおよびその愛する方の皆様に感謝の意を表明します。」
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、治験担当医師がRELATIVITY-123 試験に登録された患者さんに対する次の適切なステップを決定できるよう、治験担当医師とデータを共有します。また、本試験のデータの評価を完了し、学会で結果を発表するために治験担当医師と連携していきます。

RELATIVITY-123試験について

 RELATIVITY-123試験は、進行疾患に対する1回以上4回以下の前治療後に疾患進行したマイクロサテライト安定性(MSS)の進行大腸がん(mCRC)の成人患者約700名を対象に、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤をレゴラフェニブまたはトリフルリジン+チピラシル(TAS-102)と比較評価する国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。本試験には、高マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)大腸がん患者は含まれていません。主要評価項目は2つあり、1つは無作為化されたすべての患者での全生存期間(OS)、もう1つは PD-L1 のCombined positive score(CPS)が1以上の無作為化された患者でのOSです。副次評価項目は、無作為化されたすべての患者およびPD-L1 CPS 1以上の無作為化された患者における固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST v1.1)を用いた盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)および奏効期間(DoR)、安全性、並びに身体機能および生活の質の明らかな悪化までの時間です。

LAG-3について

 リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、エフェクターT細胞および制御性T細胞(Treg)に発現する細胞表面分子であり、T細胞の応答、活性化および増殖を制御する機能を有しています。LAG-3 は、細胞のリガンドと相互作用すると T 細胞の機能を阻害し、LAG-3 が存在する細胞の活性化と増殖を低下させます。この T 細胞の機能不全により、腫瘍が免疫系からの攻撃を回避し、抑制されずに増殖することが可能になります。非臨床試験において、LAG-3を阻害することにより、抗腫瘍応答を促進する可能性があることが示唆されています。初期の研究では、LAG-3を他の補完的免疫チェックポイントと併せて標的とすることが、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高めるための重要な方策である可能性が示唆されています。
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、さまざまながん腫を対象とした臨床試験において、抗LAG-3抗体であるRelatlimabと他の薬剤の併用療法を評価しています。

大腸がんについて

 大腸がん(CRC)は、身体の消化器系の一部である結腸または直腸に発生するがんです。CRCは世界で3番目に多いがん腫です。2020年には、約1,931,000人が新たに診断され、男女を合わせたがんによる死亡原因の第2位となると推定されています。
 ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)は、DNA複製時のミスマッチエラーを修復するプロテインが欠損または機能していない場合に生じ、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の腫瘍が発生する原因となります。進行CRC患者の約5~7%において、dMMRまたはMSI-Hの腫瘍が認められます。マイクロサテライト安定性(MSS)またはミスマッチ修復機構が正常(pMMR)の大腸がん患者の残りの95%には、後期治療における治療選択肢が限られています。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および独自の研究プログラムにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
 がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

Opdualagの適応症および安全性情報について

 米国でのOpdualagの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、本プレスリリースに記載された治療法を含む今後の試験結果が良好でない可能性、およびそのような併用療法の本プレスリリースに記載されたそのような追加の適応症の開発と商業化が成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。