2021.10.28
研究開発

短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト®点滴静注用50mg/150mg」小児の心機能低下例における頻脈性不整脈に対する効能又は効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、当社)は、本日、短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト®(一般名:ランジオロール塩酸塩)点滴静注用50mg/150mg」(以下、オノアクト)について、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈(上室頻拍、心房細動、心房粗動)に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたので、お知らせします。

 今回の申請は、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈患者を対象とした後期第Ⅱ相/第Ⅲ相多施設共同非盲検非対照試験(ONO-1101-31)の結果に基づいています。

 小児の先天性心疾患に対する開心術後などの循環動態が不安定な心機能低下例において、頻脈性不整脈が持続すると重篤化し、死に至ることがあるため、直ちに頻脈性不整脈に対する治療が必要になります。小児では体格や年齢によって、カテーテルアブレーション等の非薬物治療が困難な場合があることから、薬物治療が重要かつ主たる治療手段となります。しかしながら、国内で小児適応が認められている抗不整脈薬は少なく、治療選択肢は限られており、小児患者さんに対する新しい治療選択肢が必要とされています。

 オノアクトは、短時間作用型β1選択的遮断剤であり、主に心臓に多く存在するβ1受容体を選択的に遮断することで心拍数を下げます。オノアクトは、既に成人の心機能低下例における頻脈性不整脈の効能又は効果で承認されています。今回の小児の試験結果においても、心機能を低下させることなく、速やかに心拍数を減少させることが確認され、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈においても治療に貢献できるものと期待しています。

 当社は、2002年7月に成人の「手術時の頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置」の効能又は効果で承認を取得し、同年9月に同適応でオノアクトを発売しました。その後、成人で以下の効能又は効果の追加承認を取得しています。

  • 手術後の循環動態監視下における頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置(2006年10月)
  • 心機能低下例における頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動)(2013年11月)
  • 生命に危険のある不整脈(心室細動、血行動態不安定な心室頻拍)で難治性かつ緊急を要する場合(2019年3月)
  • 敗血症に伴う頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)(2020年6月)