2021.11.12
企業

訴訟の和解成立に関するお知らせ

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本庶佑氏(以下「本庶氏」)と大阪地方裁判所令和2年(ワ)第5608号対第三者訴訟関連分配金請求事件(以下「本訴訟」)について、裁判所からの和解の勧めを受けて、本日、和解が成立しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

 当社と本庶氏は、免疫抑制の阻害による新たながん治療法の発見、およびそれを活用したがん免疫治療薬(オプジーボ)の開発におけるそれぞれの貢献を高く評価するとともに、我が国における産学連携の新たな形を示すために和解によって本訴訟を終了させることにいたしました。なお、今回合意した和解内容は、2020年6月19日付けにて提起されたPD-1特許に関する対第三者訴訟関連金として約262億円を請求する本訴訟のみならず、2006年10月23日に締結された「PD-1遺伝子特許実施権許諾に関する契約書」(以下「ライセンス契約」)に係る当社と本庶氏との紛争について全面解決を図るものとなります。

 なお、業績への影響は現在精査中です。

<和解の要旨>

  1. 当社は、ライセンス契約で定められたロイヤルティ料率を変更することなく、今後も本庶氏にロイヤルティを支払います。

  2. 当社は、以下の趣旨で、本庶氏に対し50億円を支払います。

    • ライセンス契約に係る紛争の全面解決に対する解決金
    • 3つの特許(特許第4409430号、特許第5159730号および特許第5885764号、以下「本特許」)及びこれに関連する国内外の特許の有効性を巡る対第三者訴訟において本庶氏が当社に協力したことに対する報奨金
    • 本特許を含むライセンス契約の対象特許における本庶氏以外の発明者に対する清算金
  3. 当社は、国立大学法人京都大学(以下「京都大学」)における今後の教育研究環境の充実及び教育研究支援事業に対する経済的基盤を拡充し、我が国における産学連携の新たな形を示すために、かねてより社内にて検討してきたとおり、当社の自由な意思に基づいて、京都大学内に設立される基金「小野薬品・本庶 記念研究基金」に230億円の寄付を行います。