2022.09.20
研究開発

ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より、PD-L1発現レベルが1%未満の切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、Opdualag(ニボルマブと抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤)の承認を取得

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2022年9月16日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


Bristol Myers Squibb

本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2022年9月16日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より、PD-L1発現レベルが1%未満の切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、Opdualag(ニボルマブと抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤)の承認を取得

  • Opdualagは、抗PD-1抗体ニボルマブと新規の抗LAG-3抗体Relatlimabの免疫療法薬2剤によるファースト・イン・クラスの固定用量配合剤です。
  • RELATIVITY -047試験において、Opdualagは、ニボルマブ単剤療法と比較して、無増悪生存期間の中央値を2倍以上に延長しました。

 (ニュージャージー州プリンストン、2022年9月16日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州委員会(EC)が、PD-L1発現レベルが1%未満の進行(切除不能または転移性)悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児/青年期患者のファーストライン治療薬として、Opdualag(ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤)を承認したことを発表しました。
 ECの承認は、第Ⅱ/Ⅲ相RELATIVITY -047試験におけるPD-L1発現レベルが1%未満の患者の探索的な解析結果に基づいています。本解析では、抗PD-1抗体ニボルマブと新規の抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤による併用療法が、確立された標準治療であるニボルマブ単剤療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)の中央値を2倍以上に延長しました。本併用療法では、ニボルマブ単剤療法と比較して、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
 ブリストル マイヤーズ スクイブのエグゼクティブ・バイスプレジデント、最高医療責任者兼グローバル医薬品開発担当であるSamit Hirawat(M.D.)は、次のように述べています。「Opdualagは、進行悪性黒色腫に対してEUで承認された最初の抗LAG-3抗体を含む併用療法です。RELATIVITY -047試験では、新たな免疫療法薬の併用療法によって、LAG-3およびPD-L1の両方を阻害することの重要なベネフィットが示されました。今回の承認は、悪性黒色腫の成人および小児/青年期患者さんに革新的な医薬品をお届けするための私たちの継続的な取り組みによるものです。これまでの進展にご貢献いただき、今回の承認の実現にご尽力いただきました患者さん、研究者および医師の皆様に心より感謝を申し上げます。」
 ECの承認により、欧州連合の全加盟国*をはじめ、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーにおいて、PD-L1発現レベルが1%未満の進行悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児/青年期患者のファーストライン治療薬として、Opdualagが使用できるようになります。

  • 中央販売承認には、英国(イングランド、スコットランド、ウェールズ)での承認は含まれません。

RELATIVITY -047試験の有効性および安全性の結果

 EUにおける適応症は、PD-L1発現レベルが1%未満の患者を対象としたRELATIVITY -047試験データの探索的解析に基づいています。

  • 有効性:PFSの中央値は、Opdualag群で6.7カ月(95% 信頼区間[CI]:4.7 - 12.0)、ニボルマブ単剤療法群で3.0カ月(95% CI:2.8 - 4.5)でした(ハザード比[HR]0.68(0.53, 0.86)。生存期間の中央値は、Opdualag群で未達でした(HR 0.78(0.59, 1.04)。
  • 安全性:多く報告された副作用は、疲労(41%)、筋骨格痛(32%)、発疹(29%)、関節痛(26%)、下痢(26%)、そう痒症(26%)、頭痛(20%)、悪心(19%)、咳嗽(16%)、食欲減退(16%)、甲状腺機能低下症(16%)、腹痛(14%)、白斑(13%)、発熱(12%)、便秘(11%)、尿路感染症(11%)、呼吸困難(10%)、嘔吐(10%)でした。多く報告された重篤な副作用は、副腎機能不全(1.4%)、貧血(1.4%)、背部痛(1.1%)、大腸炎(1.1%)、下痢(1.1%)、 心筋炎(1.1%)、肺炎(1.1%)、尿路感染症(1.1%)でした。グレード3~5の副作用の発現率は、Opdualag群で43%、ニボルマブ単剤療法群で35%でした。

 RELATIVITY -047試験では、主要評価項目である全無作為化患者集団のPFSも達成しました。

RELATIVITY-047試験について

 RELATIVITY-047試験は、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫患者を対象に、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤での併用療法をニボルマブ単剤療法と比較評価した国際共同無作為化二重盲検第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験です。患者は、PD-L1発現レベルにかかわらず組み入れられました。活動性自己免疫疾患、中等量または高用量の副腎皮質ホルモン剤または免疫抑制剤による全身療法を要する疾患、ぶどう膜黒色腫、活動性または未治療の脳転移または軟髄膜転移を有する患者は、本試験から除外されました。本試験の主要評価項目は、固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST v1.1)を用いた盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による全無作為化患者集団の無増悪生存期間(PFS)です。副次評価項目は、全無作為化患者集団の全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です。患者714例が、ニボルマブ(480 mg)とRelatlimab(160 mg)の固定用量配合剤での併用療法群、またはニボルマブ(480 mg)群に無作為に1:1に割り付けられ、4週間間隔で点滴静注を受けました。投与は、病勢進行もしくは忍容できない毒性が認められるまで、または患者が同意を撤回するまで継続されました。

LAG-3について

 リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、エフェクターT細胞および制御性T細胞(Treg)に発現する細胞表面分子であり、T細胞の応答、活性化および増殖を制御する機能を有しています。非臨床試験において、LAG-3を阻害することにより、疲弊したT細胞のエフェクター機能が回復し、抗腫瘍応答を促進する可能性があることが示唆されています。初期の研究では、LAG-3を他の補完的免疫チェックポイントと併せて標的とすることが、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高めるための重要な方策である可能性が示唆されています。
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、さまざまながん腫を対象とした臨床試験において、抗LAG-3抗体であるRelatlimabと他の薬剤の併用療法を評価しています。

悪性黒色腫について

 悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こります。悪性黒色腫の発生率は、過去30年間にわたり徐々に上昇しています。米国では、2021年に、約106,110人が新たに悪性黒色腫と診断され、関連死亡者数は約7,180人に上ると推定されています。世界保健機関は、2035年までに全世界における悪性黒色腫の罹患者数が424,102人に達し、関連死亡者数は94,308人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に見つかれば大部分が治癒可能ですが、進行するにつれて生存率は低下します。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

Opdualagの適応症および安全性情報について

 米国でのOpdualagの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、欧州各国における価格設定および保険償還に関する交渉に起因して、本プレスリリースに記載された適応症でのOpdualag(ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤)の商業化が遅延するまたは制限される可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、本プレスリリースに記載された適応症でのそのような併用療法の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性、そのような併用療法が本プレスリリースに記載されたそのような適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。