2022.10.21
研究開発

ブリストル マイヤーズ スクイブ、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者において、オプジーボがプラセボと比較して再発・死亡リスクを58%低下させたCheckMate -76K試験のデータを発表

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2022年10月19日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


Bristol Myers Squibb

本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2022年10月19日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

ブリストル マイヤーズ スクイブ、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者において、オプジーボがプラセボと比較して再発・死亡リスクを58%低下させたCheckMate -76K試験のデータを発表

  • CheckMate -76K試験の結果、オプジーボは、無再発生存期間において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。
  • データは悪性黒色腫の早期ステージにおけるオプジーボのベネフィットを裏付けるものです。

 (ニュージャージー州プリンストン、2022年10月19日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -76K試験の結果を発表しました。本試験では、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者において、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)による術後補助療法が、プラセボと比較して、無再発生存期間(RFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるベネフィットを示しました。あらかじめ計画された中間解析では、オプジーボは、プラセボと比較して、再発・死亡リスクを58%低下させ(ハザード比[HR]、0.42;95% 信頼区間 [CI] 、0.30~0.59;p < 0.0001)、本試験の主要評価項目であるRFSを達成しました。12カ月時点の無再発生存率は、オプジーボが89%(95% CI:86~92)で、プラセボは79%(95% CI:74~84)でした。このRFSに対するベネフィットは、T分類や病期など、本試験で事前に規定したサブグループ全体にわたって認められました。この結果は、スコットランドのエジンバラで2022年10月17~20日に開催される2022年Society for Melanoma Research(SMR)年次総会において、10月19日にプレナリーセッションで最新データとして発表されます。

 オプジーボ投与患者におけるステージ別の12ヵ月時点の無再発生存率は、ステージⅡBでは93%(プラセボは84%)、ステージⅡCでは84%(プラセボは72%)でした。

 オプジーボの安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験のものと一貫しており、本解析時点で新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレード3または4の治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は、オプジーボ群で10%、プラセボ群で2%でした。TRAE関連の投与中止率は、オプジーボ群で15%、プラセボ群で3%でした。

 オーストラリア・メラノーマ研究所(MIA)の共同メディカルディレクターであり、シドニー大学およびRoyal North Shore and Mater HospitalsのMIAのメラノーマ腫瘍学・トランスレーショナルリサーチ学長であるGeorgina Long教授(AO、MD、PhD)は次のように述べています。「術後5年以内に、ステージⅡBの患者さんの3分の1、ステージⅡCの患者さんの半数で再発が見られます。悪性黒色腫の治療の場合には、引き続きこのリスクを軽減するよう取り組む必要があります。CheckMate -76K試験のデータは、ステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者さんに対するニボルマブによる術後補助療法が、無再発生存期間で有意なベネフィットをもたらし、この患者集団にとって重要な治療選択肢となり得ることを示しています。」

 CheckMate -76K 試験は、がんの早期ステージにおけるオプジーボ単剤療法およびオプジーボを含む併用療法によるブリストル マイヤーズ スクイブの開発プログラムの一つです。現在、このプログラムは7 つのがん腫に及んでいます。

 ブリストル マイヤーズ スクイブの悪性黒色腫部門開発プログラム責任者であるGina Fusaro(PhD)は、次のように述べています。「これらのデータは、転移性のものから早期ステージにおけるがんまで、悪性黒色腫の治療に対するオプジーボの臨床的ベネフィットを裏付けるエビデンスに加わるものです。今後も、私たちはがんとともに生きる人々の予後を改善するのに役立つ薬剤を開発するため、科学の進歩を追求していきます。」

CheckMate -76K試験について

 CheckMate -76K 試験は、根治切除後のステージⅡB/C の悪性黒色腫患者790例を対象に、オプジーボの術後補助療法480 mg を 4 週間間隔で最長 12 カ月投与する群をプラセボ群と比較評価した無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。
 本試験の主要評価項目は、無再発生存期間(RFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)、無遠隔転移生存期間(DMFS)、2 次治療までの無増悪生存期間(PFS2)および安全性評価項目です。

悪性黒色腫について

 悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こります。世界保健機関は、2035 年までに全世界における悪性黒色腫の罹患者数が 424,102 人に達し、関連死亡者数は 94,308 人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に見つかれば大部分が治癒可能ですが、進行するにつれて生存率は低下します。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストルマイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連の PD-L1 の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストルマイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストルマイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストルマイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebook およびInstagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995 年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、オプジーボ(ニボルマブ)が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補品が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの 2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。