2023.07.18
企業

小野薬品とアイエクセス、共同で医学論文のトピック抽出分析AIシステムを開発

- 診療上の課題を特定し、メディカル戦略の構築に向けて運用を開始 -

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「小野薬品」)とAI(人工知能)開発会社である株式会社アイエクセス(本社:東京都中央区、代表取締役:山﨑 邦利、以下 「アイエクセス」)は、アイエクセスが保有するAI自然言語処理技術を用いて、PubMedに収載されている医学論文のトピック抽出分析AIシステムであるMaTCH(Mapping out Trend Changes)を共同で開発し、小野薬品のメディカルアフェアーズ統括部で同システムを活用して診療上の課題を特定し、メディカル戦略の構築に向けて運用を開始したことをお知らせします。

PubMedとは世界の主要な医学系雑誌に掲載された学術論文の書誌情報を調べることができる無料の医学関連分野の文献データベースです。

 MaTCHシステムは、メディカルアフェアーズ活動に適合させた独自のトピック抽出モデルであるAI自然言語処理アルゴリズムを搭載し、PubMedに収載されている3500万件を超えるすべての医学論文を学習させました。これにより、重要トピックの抽出、重要度のランク付け、重要トピック間の関連性等を時系列で可視化することができ、これまで人による読み取りでは困難であった膨大な医学論文全体の重要トピックを俯瞰的に捉え、過去から現在に至るまでの研究トピックを迅速に把握し、臨床上の課題の見落としを防ぐことが可能になります。また、埋もれている可能性があるアンメットニーズを見つけだすことも期待できます。
 本システムで得られた結果を基に診療上の課題を特定し、メディカル戦略の計画立案に利用することによりメディカルアフェアーズ担当者個人の知識や経験などに由来したプロジェクト間の隔たりを是正し、的確かつ迅速な戦略立案が可能になることが期待されます。また、本システムはメディカルアフェアーズ統括部での活用を経て最適化された後、小野薬品全社での活用に向けてシステムを発展させていきます。

 小野薬品は、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念の基に、グローバル化を見据えたIT基盤への刷新、創薬バリューチェーンの変革をはじめとしたデジタル・IT分野でも企業変革の実現を目指すとともに、イノベーションを推進し、革新的な新薬の創製により持続的な成長に向けて取り組んでいきます。

 アイエクセスは、独自の豊富なAI関連技術および可視化技術を活かし、最先端テクノロジ―によるITインフラの構築を実現するとともに、持続的にDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に取り組み社会に貢献していきます。

株式会社アイエクセスについて

 株式会社アイエクセスは、AIアルゴリズムおよびプラットフォームの開発会社です。AI自然言語処理技術に強みを持ち、同分野の国際特許を複数所有している技術会社です。AIの大量分析モデルから導き出された結果を、画面に可視化する技術に定評があり、2022年に東京都の経営革新計画最優秀賞、2023年に経済産業省中小企業白書に掲載された実績があります。
URL: https://www.ai-xs.co.jp