2023.10.19
研究開発

オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボによる術後補助療法の周術期療法レジメンが、第Ⅲ相CheckMate -77T試験で切除可能な非小細胞肺がん患者において無イベント生存期間で有意な改善を示す

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2023年10月17日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年10月17日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボによる術後補助療法の周術期療法レジメンが、第Ⅲ相CheckMate -77T試験で切除可能な非小細胞肺がん患者において無イベント生存期間で有意な改善を示す

  • オプジーボと化学療法の術前補助療法と、それに続く手術およびオプジーボによる術後補助療法が、切除可能な非小細胞肺がん患者において、再発、病勢進行または死亡のリスクを42%低減しました。
  • CheckMate -77T試験は、非転移性非小細胞肺がん治療において、免疫療法薬を含む併用療法が肯定的な結果を示したブリストル マイヤーズ スクイブの2つ目の第Ⅲ相無作為化試験です。
  • 本試験の最新データは、2023年欧州臨床腫瘍学会年次総会のプレジデンシャルシンポジウムで発表されます。

 (ニュージャージー州プリンストン、2023年10月17日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、切除可能なステージⅡA~ⅢBの非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く手術とオプジーボによる術後補助療法の周術期療法レジメンを評価した第Ⅲ相CheckMate -77T試験の最初のデータを発表しました。本試験において、本周術期療法のレジメンは、化学療法とプラセボの併用による術前補助療法と、それに続く手術とプラセボによる術後補助療法と比較して、主要有効性評価項目である盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無イベント生存期間(EFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。
 中央値25.4カ月の追跡調査で、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く手術とオプジーボによる術後補助療法を受けた患者で、再発、病勢進行または死亡のリスクを42%低減しました(EFS ハザード比 [HR] 0.58;97.36% 信頼区間 [CI]:0.42 - 0.81;p=0.00025)。また、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法は、副次有効性評価項目である病理学的完全奏効(pCR、オプジーボと化学療法の併用療法群25.3% vs 化学療法とプラセボの併用療法群4.7%)および Major Pathological Response(MPR、オプジーボと化学療法の併用療法群35.4% vs 化学療法とプラセボの併用療法群12.1%)で改善を示しました。本試験は、副次評価項目のひとつである全生存期間(OS)を評価するため進行中です。根治手術率は、オプジーボを含むレジメンで78%、化学療法とプラセボの併用療法で77%、根治切除の達成率は、オプジーボを含むレジメンで89%、化学療法とプラセボの併用療法で90%でした。オプジーボを含むレジメンの安全性プロファイルは、NSCLCを対象とした試験でこれまでに報告されているものと一貫していました。新たな安全性シグナルは認められませんでした。
 これらのデータは、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会のプレジデンシャルシンポジウムにて、2023年10月21日、午前10時30分~午後12時15分(米国東部夏時間)/16時30分~18時15分(中央ヨーロッパ夏時間)に初めて発表されます(抄録番号#LBA1)。
 米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、胸部/頭頸部腫瘍内科准教授のTina Cascone(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「この数年で、非転移性非小細胞肺がん患者さんの治療は目覚ましい進展を遂げています。現在、私たちは、より多くの切除可能ながん患者さんに臨床ベネフィットを提供することを目標に、これらの進展をさらに拡張するための治療戦略を評価しています。オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く手術とニボルマブによる術後補助療法を評価したCheckMate -77T試験の結果、および手術後にオプジーボによる術後補助療法をどの様に継続することで、さらにアウトカムが改善され、患者さんにより持続的なベネフィットを提供できる可能性に大変勇気づけられています。CheckMate -77T試験の結果は、医師にとっても、患者さんとご家族にとっても希望となるものです。この進行中の試験から今後どのようなデータが得られるか、特に副次評価項目である全生存期間に期待しています。」
 ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼胸部がん領域グローバル開発担当であるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -77T試験の結果は、切除可能な非小細胞肺がんにおけるオプジーボを含む併用療法の使用を支持するエビデンスを裏付けるとともに、患者さんの持続的なベネフィットを目指し、早期段階のがん治療に対する当社のコミットメントを強化するものです。ESMOでは、胸部がん治療に対する当社の深い科学的知見に基づき、切除可能な非小細胞肺がんにおける複数試験の研究結果を発表できることをうれしく思います。今後は規制当局との話し合いを進め、非転移性非小細胞肺がん患者さんに対し、再発、病勢進行または死亡のリスクを低減して長期アウトカムを改善する可能性のある新たな治療選択肢をお届けできるよう願っています。」
 現在までに、オプジーボ単剤療法とオプジーボを含む併用療法は、肺がん、膀胱がん、食道/胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫の4つのがん腫の術前補助療法、術後補助療法または周術期療法においてさらに有効性を示しています。
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -77T臨床試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。

CheckMate -77T試験について

 CheckMate -77T試験は、切除可能なステージⅡA~ⅢBの非小細胞肺がん(NSCLC)患者452例を対象に、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く手術とオプジーボによる術後補助療法を、化学療法とプラセボの併用療法による術前補助療法と、それに続く手術とプラセボによる術後補助療法と比較評価した多施設無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、無イベント生存期間(EFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)、病理学的完全奏効(pCR)およびMajor Pathological Response(MPR)等です。

肺がんについて

 肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。NSCLCと診断された患者の過半数が非転移性疾患であり(約60%、そのうち最大半数が切除可能)、今後がん検診プログラムが強化されるにつれて、さらに大きな割合を占めるようになると予測されています。非転移性NSCLC患者の多くが手術で完治するものの、切除したにもかかわらず30%~55%が再発し、がんで亡くなられます。長期的なアウトカムを改善するために、手術前に投与(術前補助療法)および/または手術後に投与(術後補助療法)する治療選択肢が必要とされています。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および独自の研究プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
 がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、オプジーボ(ニボルマブ)と化学療法の併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られたとしても、その使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。