米国EVQLV社とAIによる抗体の設計技術を活用した複数の標的に対する抗体の創製に関する創薬提携契約を締結
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本日、EVQLV, INC(米国、フロリダ州マイアミ、最高経営責任者: Andrew Satz、以下「EVQLV社」)と、複数の標的に対する抗体を創製することを目的とした創薬提携契約を締結しましたので、お知らせします。
本契約に基づき、EVQLV 社は独自の人工知能(AI)による抗体の設計技術であるAI-powered Antibody Design Engineを活用して、複数の創薬標的に対する候補抗体の配列情報を生成します。当社は、本提携において設計された抗体配列に基づき、抗体医薬品候補の創製、開発および商業化に取り組みます。当社は、研究期間中における研究資金ならびに研究プロセスの進捗に応じたマイルストンをEVQLV社に支払います。また、当社は、創製した抗体医薬品候補を全世界で独占的に開発・商業化するオプション権を保有します。
当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野 十一は、次のように述べています。「私たちは、未だ満たされていない医療ニーズに応えるため、抗体医薬品を含め、バイオ医薬品の創製に積極的に取り組んでいます。今回、独自のAIによる革新的な抗体の設計技術を有するEVQLV社と協働できることをうれしく思います。EVQLV社の技術の活用により、より迅速かつ効率的に新規抗体医薬品候補の創製を可能にするものと期待しています。今回の提携を通じて、私たちが目指す抗体医薬品の創製を加速し、患者さんにとって革新的な医薬品を一日も早くお届けできるよう取り組んでまいります。」
EVQLV社の最高事業責任者兼共同設立者であるAndrew Satzは、次のように述べています。「小野薬品は、独自の創薬標的を見出し、患者さんの人生を変える治療薬を開発し、世界中の多くの患者さんに届けています。私たちは、研究者が容易にAI技術を創薬に活用できるようにし、創薬の成功確率を向上させることを使命としています。私たちのAIによる抗体の設計技術で生成された抗体配列を活用し、患者さんに画期的な抗体医薬品の治療選択肢を提供する小野薬品の研究開発担当者と協働できることを光栄に思います。」
EVQLV社について
EVQLV社は、人工知能(AI)を活用してバイオテクノロジー企業や製薬会社の抗体開発を変革する企業です。EVQLV社独自のAI-powered Antibody Design Engineは、幅広い機械学習やソフトウェアエンジニアリングの技術を用いて、治療抗体を設計します。詳細については、同社のウェブサイト https://evqlv.com をご覧ください。
EVQLV社のAI-powered Antibody Design Engineについて
EVQLV社のAI-powered Antibody Design Engineは、抗体の進化や構造情報をタンパク質言語モデルに統合した独自の技術で、標的に特異的な抗体配列を生成します。本プラットフォームは、構造的および機能的な一貫性を維持しつつ抗体配列を設計・修正することが可能な技術で、抗体の調製と機能性の確認までのスピードを加速します。抗体の探索とエンジニアリングを一つのワークフローに統合することで、抗体のde novo設計、バイオベターの設計、結合活性の向上を可能とし、開発可能性と標的特異性を有する抗体を創製します。