2025.05.19
研究開発

ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より、PD-L1発現レベルが 1%以上の再発リスクが高い切除可能な非小細胞肺がんの治療法として、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボによる術後補助療法の周術期療法の承認を取得

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2025年5月16日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2025年5月16日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、
内容につきましては英語原文が優先されます。

ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より、PD-L1発現レベルが 1%以上の
再発リスクが高い切除可能な非小細胞肺がんの治療法として、オプジーボと化学療法の併用療法
による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボによる術後補助療法の周術期療法の承認を取得

  • 今回の承認は、オプジーボによる周術期療法が、化学療法とプラセボの併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のプラセボによる術後補助療法と比較して、無イベント生存期間で改善を示したCheckMate -77T試験の結果に基づいています。
  • オプジーボは、欧州連合における切除可能な非小細胞肺がんの治療において、周術期療法および術前補助療法単独の両方で承認された唯一のPD-1阻害薬です。

 (ニュージャージー州プリンストン、2025年5月16日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:クリス・バーナー)は、本日、欧州委員会(EC)が、PD-L1発現レベルが 1%以上で再発リスクが高い切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の治療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボによる術後補助療法の周術期療法を承認したことを発表しました。
 ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼オプジーボ開発担当グローバルプログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「今回の承認は、EUにおける特定の切除可能なNSCLC患者さんに、免疫療法薬を用いた周術期療法による新たな治療選択肢を提供するものであり、初回治療後の再発リスクを有意に低減できる治療法に対するアンメットニーズの解消を支持するものです。今回の承認により、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボによる術後補助療法は、治療過程の早い段階でがんの再発リスクを有意に低減するとともに長期的な予後を改善し、特定の患者さんの疾患の経過を変えうる可能性があります。」
 この決定は、切除可能なNSCLCの成人患者を対象に、オプジーボとプラチナ製剤を含む化学療法2剤の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボ単剤療法による術後補助療法の周術期療法を、プラチナ製剤を含む化学療法2剤とプラセボの併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のプラセボによる術後補助療法と比較評価したCheckMate -77T試験の結果に基づいています。本試験の中央値25.4カ月の追跡調査で、オプジーボ群は、化学療法とプラセボの併用療法群と比較して、再発、病勢進行または死亡のリスクを42%低減し(EFS ハザード比 [HR] 0.58;95% 信頼区間 [CI]:0.43 - 0.78;p=0.00025)、本試験の主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)を達成しました。また、24カ月EFS率は、オプジーボ群で65%であったのに対して、化学療法とプラセボの併用療法群では44%でした。さらに、本試験では、副次有効性評価項目である病理学的完全奏効(pCR)およびMajor Pathological Response(MPR)でも、臨床的に意義のある改善が示されました。この周術期療法レジメンのベネフィットは、すべての有効性評価項目および無作為化されたすべての患者において示されました。また、この周術期療法の安全性プロファイルは、NSCLCを対象とした試験でこれまでに報告されているものと一貫していました。新たな安全性シグナルは認められませんでした。
 CheckMate -77T試験のEFS、pCRおよびMPRの結果は、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)会議 にて初めて発表されるとともに、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌 に掲載されました。最新の結果は、2024年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)にて発表されました。 CheckMate -77T試験は、主な副次評価項目である全生存期間(OS)を評価するため進行中です。
 PD-L1発現レベルが 1%以上で再発リスクが高い切除可能なNSCLCの成人患者を対象とするECの承認は、欧州連合(EU)の全27加盟国に加え、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーの3カ国に適用されます。EUでは、肺がんでの承認に加え、複数のがん腫の治療薬としてオプジーボを含む治療選択肢が承認されています。
 2024年10月、CheckMate -77T試験に基づき、米国食品医薬品局(FDA)は、切除可能(腫瘍径≧4cmまたはリンパ節転移陽性)なNSCLCを有し、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陰性または未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子の再構成を伴わない成人患者の治療法として、オプジーボとプラチナ製剤を含む化学療法2剤の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボ単剤療法による術後補助療法を 承認 しました。
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -77T試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。

CheckMate -77T試験について

 CheckMate -77T試験は、切除可能なステージⅡA~ⅢBの非小細胞肺がん(NSCLC)患者461例を対象に、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボによる術後補助療法を、プラセボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のプラセボによる術後補助療法と比較評価した多施設無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、無イベント生存期間(EFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)、病理学的完全奏効(pCR)およびMajor Pathological Response(MPR)等です。

肺がんについて

 肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。NSCLCと診断された患者の過半数が非転移性疾患であり(約60%、そのうち最大半数が切除可能)、今後がん検診プログラムが強化されるにつれて、さらに大きな割合を占めるようになると予測されています。非転移性NSCLC患者の多くが手術で完治するものの、切除したにもかかわらず30%~55%が再発し、がんで亡くなられます。長期的なアウトカムを改善するために、手術前に投与(術前補助療法)および/または手術後に投与(術後補助療法)する治療選択肢が必要とされています。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および独自の研究プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
 がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、X 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年米国民事証券訴訟改革法に定められている「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は、将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、欧州各国における価格設定および保険償還に関する交渉に起因して、本プレスリリースに記載された適応症でのオプジーボ(ニボルマブ)の商業化が遅延または制限される可能性、販売承認を取得したとしても、その使用が著しく制限される可能性、またそのような適応症でのオプジーボの承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性、オプジーボがそのような適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2024年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が米国証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。