2022.03.31
ライセンス

スイスNumab社と開発・ライセンス契約を締結

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、当社)は、本日、Numab Therapeutics AG社(スイス、ヴェーデンスヴィル、最高経営責任者:David Urech、以下、Numab社)と、2017年に締結したがん免疫領域における多重特異性抗体の創製に関する契約のオプション権を行使し、新たに開発・ライセンス契約(以下、本契約)を締結しましたので、お知らせします。

 本契約の締結に伴い、当社は新規のがん免疫療法の標的に対する多重特異性抗体の知的財産権および当該抗体を全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得します。当社は、本契約の対価として、Numab社に対して2017年に締結した契約に基づく支払を含め、契約一時金、開発の進捗に応じたマイルストンおよび売上高に応じたマイルストンとして、総額で最大2億5800万スイスフランを支払います。また、当社は売上高に応じた一桁~二桁台のロイヤルティを支払います。

 当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野十一は、次のように述べています。「Numab社との創薬提携を通じて創製された医薬品候補抗体が、この治療効果を受ける可能性があるがん患者さんにとって新たな治療選択肢となることを期待しています。Numab社の多重特異性抗体プラットフォームと当社のがん免疫療法に関する深い専門知識からもたらされる相乗効果により、当社のがん免疫療法における開発パイプラインの拡充に取り組んでいきます。」

 Numab社の創設者で最高経営責任者のDavid Urech氏は、次のように述べています。「新規かつ非常に挑戦的ながん免疫の標的に対する多重特異性抗体候補を、この段階まで進められたことを誇りに思います。本ライセンス契約の締結は、Numab社のプラットフォームが新規かつ独自の薬効薬理を創出する能力を有することを証明するものです。がん患者さんのための次世代がん免疫療法の開発という共通の使命を果たすため、小野薬品とのパートナーシップに引き続き期待しています。」

 なお、当社は、2020年3月にもNumab社と、がんの治療を目的とした本契約の対象とは異なる標的に対する多重特異性抗体医薬品の候補を創製するための2つ目の創薬提携契約およびオプション契約を締結しています。

Numab Therapeutics社について

Numab Therapeutics社は、スイス、チューリッヒ近郊に拠点を置き、がん領域を重点分野とするバイオ医薬品企業です。がん免疫療法の歴史に新たな一章を加えるべく、Numab 社は、全く新しい治療戦略の構築を目指して、その独自の創薬プラットフォーム「MATCH」を駆使し、汎用性や開発可能性を考慮しつつ多重特異性抗体の新規臨床候補を創製します。Numab 社のリード開発品は、4-1BB、PD-L1およびヒト血清アルブミンに同時に結合することにより、強い抗腫瘍免疫活性と安全性のバランスをとるようにデザインされています。Numab 社は、医薬品設計の全てのステップにおいて最高の品質基準を満たすことが、病気で苦しむ患者さんに大きな恩恵をもたらすと信じています。詳細については www.numab.com をご覧ください。