ポーランドCaptor Therapeutics社と神経変性疾患領域におけるタンパク質分解誘導低分子医薬品を創製するための創薬提携契約を締結
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、当社)は、本日、標的タンパク質分解(TPD)に基づいた医薬品の創製において有力企業であるCaptor Therapeutics S.A.(ポーランド、ヴロツワフ、最高経営責任者:Tom Shepherd、以下、Captor社)と、神経変性疾患領域において新規標的に対する分解誘導低分子医薬品を創製するための創薬提携契約を締結しましたので、お知らせします。
本契約の締結に基づき、Captor社はOptigradeTM TPDプラットフォームを駆使して分解誘導医薬品候補を特定し、創製します。当社は本創薬提携から創製される分解誘導医薬品候補を全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得します。当社は、Captor社に対して、契約一時金、研究資金、研究開発などの進捗に応じたマイルストンとして、総額で最大1億9700万ユーロを支払います。また、当社は、上市後の売上高に応じたロイヤルティをCaptor社に支払います。
TPDは、タンパク質を分解する生体の自然な働きを利用し、疾患の原因タンパク質を選択的に除去するために慎重に設計された低分子化合物を用いたアプローチです。神経変性疾患を含む様々な疾患に対する新規治療薬の創製において、疾患の原因タンパク質を選択的に除去する薬剤は、低分子阻害剤や抗体のような従来の医薬品よりも、多くの利点を持つことが期待されます。
当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野十一は、次のように述べています。「当社は、Captor社のOptigradeTM TPDプラットフォームを高く評価しており、新しい治療モダリティであるTPD誘導低分子医薬品の創製においてCaptor社と協働できることをうれしく思います。今回の新たな提携が、神経変性疾患の患者さんにとって革新的な医薬品の創製につながることを期待しています。」
Captor社の最高経営責任者であるTom Shepherdは、次のように述べています。「私たちの研究開発チームは、がんおよび自己免疫疾患領域において独自の分解誘導医薬品候補を臨床ステージに向けて取り組んでおり、今回、OptigradeTM TPDプラットフォームを神経変性疾患領域に適用することを目的とした小野薬品とのグローバル提携は、私たちの創薬プラットフォームが評価され、研究開発チームの成果の証となります。神経変性疾患領域には重大なアンメットメディカルニーズが多くあり、分解誘導医薬品は大きな可能性を秘めています。この治療領域で成功するために必要な技能を持つ強力なパートナーとして小野薬品と協働できることをうれしく思います。」
Captor Therapeutics(Captor社)について
Captor社は、標的タンパク質分解(TPD)技術を応用した創薬・開発企業であり、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する画期的な薬剤を創製しています。TPDは、従来のモダリティでは制御不能と考えられる新たな分子を標的とし、既存の薬剤では最適な治療が提供できない疾患に対して新たな治療選択肢を提供することが可能な新薬開発のための画期的なアプローチです。現在、Captor社はがんや自己免疫疾患を含む、治療が十分でない重篤な疾患に対する治療法を開発しています。詳細については、http://www.captortherapeutics.com をご覧ください。