2023.03.23
ライセンス

英国 Macomics社と腫瘍免疫領域においてマクロファージの新規標的を対象とした抗体医薬品の創製に関する創薬提携契約を締結

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本日、Macomics Ltd(英国スコットランド、エジンバラ、最高経営責任者:Stephen Myatt、以下「Macomics社」)と、腫瘍免疫領域においてマクロファージの新規標的を対象とした抗体医薬品の創製に関する創薬提携契約を締結しましたので、お知らせします。

 本契約に基づき、Macomics社は同社の創薬プラットフォーム技術であるENIGMAC™により同定および検証されたマクロファージの新規標的に対する抗体医薬品候補を創製します。当社は、その抗体医薬品候補について、全世界で独占的に開発・商業化するためのオプション権を取得します。当社は、Macomics社に対して、契約一時金、研究開発費、開発および売上高の進捗に応じたマイルストン、ならびに全世界での売上高に応じた段階的なロイヤルティを支払います。

 当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野 十一は、次のように述べています。「腫瘍免疫の分野においてマクロファージを標的とする創薬は注目されており、がん患者さんの予後や生活を改善する新たな治療薬を提供できるものと期待しています。私たちは、Macomics社のマクロファージに対する創薬アプローチおよびプラットフォーム技術を高く評価しており、同社と新規標的に対する創薬プロジェクトを推進していくことをうれしく思います。」

 Macomics社の最高経営責任者である Stephen Myatt は、次のように述べています。「小野薬品とのグローバル提携は、私たちのENIGMAC™創薬プラットフォーム技術や世界トップクラスの研究開発チームが提供する独自の優れた創薬能力を立証するものです。小野薬品は腫瘍免疫領域のリーディングカンパニーであり、本治療領域での成功に向けて、協働していけることをうれしく思います。」

ENIGMAC™について

 マクロファージ創薬プラットフォーム技術であるENIGMAC™は、マクロファージ生物学への深い理解に基づき、大量のヒトデータセット、細胞モデルおよび独自のヒトマクロファージゲノム編集機能を統合し、マクロファージにおける新規標的の同定と検証を可能にするものです。

Macomics社について

 Macomics社は、マクロファージ生物学において世界をリードする専門知識を有し、免疫腫瘍領域における開発企業で、がん治療のためにマクロファージを制御する最適な治療薬の開発に取組んでいます。Macomics社は、疾患特異的な腫瘍関連マクロファージ(tumour associated macrophages:TAMs)を標的とした多様な治療薬ポートフォリオを臨床に向けて進めています。

 Macomics社は、2020年にマクロファージの生物学分野で国際的に著名なリーダーであるエジンバラ大学のJeffrey Pollard教授とLuca Cassetta博士によって共同で設立されました。英国エジンバラとケンブリッジに研究開発施設とオフィスを所有し、Epidarex Capital、Scottish Enterprise、LifeLink VenturesおよびCaribou Property Limitedからの支援を受けています。