英国Healx社と研究提携契約を締結
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、当社)は、Healx Limited(英国ケンブリッジ、最高経営責任者:Tim Guilliams、以下、Healx社)と、Healx社独自の人工知能技術を活用した、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な治療薬の創製を目的とした研究提携契約を締結しましたので、お知らせします。
本契約に基づき、Healx社は、独自の人工知能技術(Healnet)を用いて、当社の化合物資産に対して複数の候補疾患とその作用機序を予測します。当社は、特定された候補疾患に対して当社の化合物資産での検証試験を実施します。また、当社は、今回の提携から選定された適応症で当社新薬候補化合物を全世界で独占的に開発・商業化する権利を保有し、Healx社に対して、提携期間中の研究費、および開発の進捗や売上高に応じたマイルストンを支払います。
当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野十一は、「希少疾患におけるアンメットメディカルニーズを満たす新たな治療薬を予測するためのHealx社のAI技術であるHealnetを高く評価しています。新薬候補化合物のプロファイリングデータとHealx社のHealnetを組み合わせることで、高い精度をもって臨床適応症の探索効率を高め、新薬候補化合物の特定効率が高まることを期待しています。」と述べています。
Healx社の創立者で、最高経営責任者であるTim Guilliamsは、「新たな治療薬を患者さんに提供するという同じ理念を持つ製薬企業である小野薬品との提携を開始することをとても光栄に思います。Healx社の技術を用いることで、小野薬品のポートフォリオに新たな創薬プログラムを切り拓き、世界中の患者さんに新しい治療薬をお届けできると期待しています。今回の提携では、我々のAI技術力によって、これまでにないスケールで迅速かつ正確に候補疾患を予測し、今後数カ月内でさらに多くの情報を共有できるものと確信しています。」と述べています。
Healnetについて
Healnetは、生物医学研究、患者の見識、臨床情報、科学文献および独自に収集した情報など複数の情報源からのデータを統合して、Healx社の最先端のAI手法によって分析した世界で最も詳細な希少疾患に対する新規治療薬創出のための創薬プラットフォームです。このプラットフォームによって、明確になっていない疾患-化合物間の関連性を精密かつ高精度で特定します。重要なことに、これらのモデルは、単一の生物学的標的に限定されることなく、新しい疾患生物学や作用機序にも適応しています。
Healx社について
世界では7,000種類の希少疾患で4億人の患者さんが苦しむ中で、そのわずか5%にしか承認された治療薬はありません。Healx社は、AI技術を通じて世界の希少疾患の患者さんへ新たな治療薬を提供するために次世代創薬手法を切り拓くバイオ医薬品企業です。Healx社は、新薬創出と、開発に関する深い知識および独自の先進技術を組み合わせることによって、希少疾患治療薬の開発における成功確率の向上や、創薬活動の加速に貢献し、これによりアンメットニーズに応え、新たな医療インパクトを与えられると考えています。 Healx社は、Tim Guilliam(生化学技術者であり技術系起業家)と、David Brown(バイアグラ共同発明者でありロシュ社の元創薬グローバルヘッド)により、2014年に英国ケンブリッジに設立されました。Healx社の詳細については、 www.healx.io または Twitter 、 LinkedIn をご覧ください。