2021.10.29
研究開発

Rafael Pharmaceuticals、Devimistat(CPI-613®)での遠隔転移を有する膵臓がん患者を対象としたピボタル第3相試験の最終解析、および再発または難治性の急性骨髄性白血病患者を対象としたピボタル第3相試験の中間解析に関する最新情報を発表

 本資料は、小野薬品がライセンス契約を締結している米国Rafael Pharmaceuticals社が2021年10月28日(米国現地時間)に発表したプレスリリースの和文抄訳として提供するものです。
 英語原文のプレスリリースは、https://rafaelpharma.com/press-releases をご参照ください。


Rafael

本資料は、小野薬品がライセンス契約を締結している米国Rafael Pharmaceuticals社が2021年10月28日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

Rafael Pharmaceuticals、Devimistat(CPI-613®)での遠隔転移を有する膵臓がん患者を対象としたピボタル第3相試験の最終解析、および再発または難治性の急性骨髄性白血病患者を対象としたピボタル第3相試験の中間解析に関する最新情報を発表

 (ニュージャージー州クランベリー、2021年10月28日)- Rafael Pharmaceuticals Inc.(以下、Rafael社もしくは当社)は、本日、膵臓の転移性腺がん患者を対象にファーストライン治療薬として、CPI-613®(devimistat)とmodified FOLFIRINOX(mFFX)の併用療法の有効性および安全性を評価した第3相試験AVENGER 500において、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成できなかったことを発表しました。
 Rafael社は、がん代謝に基づく治療法の成長分野に焦点を当てている企業です。

 この国際共同無作為化第3相試験では、これまでに治療歴のない膵臓の転移性腺がん患者528人がdevimistatとmFFXの併用療法、もしくは現在の標準治療化学療法であるFOLFIRINOXレジメンのいずれかに無作為に割付けられました。DevimistatとmFFXの併用療法群では、OSで有意な改善が示されませんでした(HR = 0.95、p = 0.66)。OS の中央値は、devimistatとmFFXの併用療法群で11.1カ月、FOLFIRINOX群で11.7カ月でした。

 Rafael社、社長兼CEOのSanjeev Lutherは、次のように述べています。「これらのがんは非常に治療困難で、効果的な治療法はほとんどまたは全くありませんが、私たちはリスクを覚悟で常に患者さんのために戦いに挑んでいます。適切な計画の下に十分に実施された試験の結果を残念に思いますが、治療困難ながん治療のがん代謝における研究開発を促進し、引き続き、別の試験に取り組んでいます。患者さん、その愛する方、研究者、治験責任医師の皆様の信頼とご支援に心より感謝申し上げます。また、私たちが治療する患者さんのためにたゆまぬ努力をしている私のチームにも非常に感謝しています。」

 ウェイン州立大学、Karmanosがん研究所の腫瘍内科医兼治験責任医師であるPhilip Philip(M.D.、Ph.D.、F.R.C.P)は、次のように述べています。「膵臓がんは死亡率が高く、非常に治療困難ながんですが、前相で得られていたdevimistatの有望なデータにより、この後期相の試験に移行することができました。これらは私たち全員が望んでいた結果ではありませんが、諦めることなく、新しい作用機序を有するdevimistatが別の試験で有効性を示すことを期待しています。私たちは、入念にデータを分析し、最善のアクション計画を立て、臨床における本剤の可能性をさらに評価するよう取り組んでいます。」

 Devimistatは、再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に第3相試験ARMADA 2000でも評価されています。予め計画されていた中間解析に続いて、独立データモニタリング委員会は、有効性の欠如のために本試験を中止することを推奨しました。

 オーガスタ大学、Georgiaがんセンター長であるJorge Cortes(M.D.)は、次のように述べています。「早期の臨床試験データで、急性骨髄性白血病の治療で直面する課題にもかかわらず、肯定的な結果が示されました。私たちは全員、肯定的な結果を期待していました。この試験では私たちの期待が叶えられませんでしたが、別の試験でdevimistatの評価を続けていきます。」

 当社は治験医師と協働して、両試験のデータの評価を完了します。

CPI-613®(devimistat)について

 CPI-613®(devimistat)は、Rafael社が開発を進めているファーストインクラスのがん代謝阻害剤です。devimistatは、細胞のミトコンドリア分画に存在し、細胞の増殖および生存に必要であるトリカルボン酸(TCA)サイクルを標的としてがん細胞を選択的に阻害します。Devimistatは、がん細胞において様々な化学療法剤に対する感受性を大幅に高めます。この相乗効果により、低用量の化学療法剤とdevimistatを併用することで、化学療法剤の治療で一般的に認められる副作用を軽減しつつ有効性を高めることができると期待されます。Devimistatとの併用療法により、種々のがん腫において患者さんへのベネフィットを向上させる様々な機会が得られると期待されます。Rafael社は、米国医薬品食品局(FDA)から膵臓がんを対象としたピボタル第3相臨床試験(AVENGER 500試験)、および急性骨髄性白血病を対象としたピボタル第3相臨床試験(ARMADA 2000試験)を実施する承認を取得しており、またdevimistatは膵臓がん、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、末梢性T細胞リンパ腫、軟部組織肉腫、バーキットリンパ腫および胆道がんの治療薬として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されています。欧州医薬品庁(EMA)からは膵臓がん、急性骨髄性白血病およびバーキットリンパ腫の治療薬としてオーファンドラッグに指定されています。

Rafael Pharmaceuticals, Inc.社について

 Rafael社は、がん代謝阻害剤の分野を牽引している企業で、がん細胞の生存、増殖および繁殖に必要な代謝過程を標的とすることにより、治療困難ながんに有効な新規のファーストインクラスの治療薬を開発しています。Rafael社のリード化合物であるCPI-613®(devimistat)は、進行中または終了した第1 - 3相臨床試験で評価されいる治験中の抗がん剤です。当社の投資家には、Rafael Holdings, Inc. (NYSE:RFL)が含まれています。2021年6月21日に、当社はRafael Holdings, Inc.と合併契約を締結し、がん代謝に基づく治療の後期臨床ステージに焦点を当てた上場企業を設立したことを発表しました。詳細については、www.rafaelpharma.com をご覧ください。