2023.08.24
研究開発

ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より、ステージⅡB/Cの悪性黒色腫の根治切除後の患者の術後補助療法として、オプジーボの承認を取得

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2023年8月22日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年8月22日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より、ステージⅡB/Cの悪性黒色腫の根治切除後の患者の術後補助療法として、オプジーボの承認を取得

  • この承認は、ステージⅡB/Cの悪性黒色腫の根治切除後の患者を対象に、オプジーボの術後補助療法がプラセボと比較して再発または死亡のリスクを58%低減した第Ⅲ相CheckMate -76K試験の結果に基づいています。
  • オプジーボは、ステージⅡB/C、ⅢおよびステージⅣの切除後の悪性黒色腫患者の術後補助療法を適応とする唯一のPD-1阻害薬となります。

 (ニュージャージー州プリンストン、2023年8月22日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州委員会(EC)が、CheckMate -76K試験の結果に基づき、ステージⅡB/Cの悪性黒色腫の根治切除後の成人および12歳以上の小児/青年期患者の術後補助療法に対する単剤療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を承認したことを発表しました。
 この承認は、CheckMate -238試験の結果に基づく2018 年のECの承認を拡大するものとなります。オプジーボは、現在、欧州連合(EU)においてステージⅡB/C、リンパ節転移を伴うまたは根治切除後の転移性悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児/青年期患者の術後補助療法に対する単剤療法として適応を取得しています。オプジーボは、(2つの承認に基づき)ステージⅡB/C、ⅢおよびステージⅣの悪性黒色腫の根治切除後の患者の術後補助療法を適応とする唯一のPD-1阻害薬です。
 ドイツ、ブクステフーデ、Elbe-Kliniken、皮膚科、皮膚癌センター長兼主任医師であるPeter Mohr( MD)は、次のように述べています。「ステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者さんは、手術後の再発リスクが高く、これは患者さんにとって非常に影響力のある事象となる可能性があります。この承認は、切除後にオプジーボを使用することで、再発を予防できる可能性があるというベネフィットを裏付けています。」
 このECの承認は、第Ⅲ相CheckMate -76K試験の結果に基づいています。本試験の最短7.8カ月の追跡調査において、オプジーボは、プラセボと比較して再発または死亡のリスクを58%低減しました(ハザード比 [HR]:0.42、95% 信頼区間[CI]:0.30-0.59、p < 0.0001)。オプジーボの安全性プロファイルは、これまでに報告された試験のものと一貫していました。
 CheckMate -76K試験は、がんの早期ステージにおいてオプジーボ単剤療法およびオプジーボを含む併用療法を探究するブリストル マイヤーズ スクイブの開発プログラムのひとつです。
 ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼開発プログラム責任者であるGina Fusaro(Ph.D.)は、次のように述べています。「今回の承認により、EUのステージⅡB/Cの悪性黒色腫の根治切除後の患者さんに、再発リスクを有意に低減した有効な治療選択肢を提供することができます。この承認は、がんの早期ステージを含むあらゆるがん患者さんに革新的な医薬品をお届けするという当社の長年の取り組みに基づいています。ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんのためにこの新たな選択肢を可能にすることに携わっていただいた患者さん、研究者および治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。」
 ECの承認は、すべてのEU加盟国のほか、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーが対象となっています。中央審査方式による販売承認には、英国(イングランド、スコットランド、ウェールズ)における承認は含まれていません。

CheckMate -76K試験における有効性および安全性の結果

 ステージⅡB/Cの悪性黒色腫の根治切除後の患者を対象にオプジーボの術後補助療法とプラセボを比較評価したCheckMate -76 K試験の結果は以下の通りです。

  • 有効性:最短7.8カ月の追跡調査において、オプジーボの術後補助療法は、プラセボと比較して再発または死亡のリスクを58%低減しました(HR:0.42、95% CI:0.30-0.59、p < 0.0001)。12カ月無再発生存率(RFS)は、オプジーボ群で89%(95% CI:86-92)、プラセボ群で79%(CI :74-84)でした。RFSのベネフィットは、T分類および病期を含め、本試験で事前に規定したサブグループ全体で認められました。
  • 安全性: 最短2.3~28カ月の追跡調査において、全がん腫におけるオプジーボ単剤療法の統合データセット(n = 4,646)で、頻繁(10%以上)に認められた副作用は、疲労(44%)、筋骨格痛(28%)、下痢(26%)、発疹(24%)、咳嗽(22%)、悪心(22%)、そう痒症(19%)、食欲減退(17%)、関節痛(17%)、便秘(16%)、呼吸困難(16%)、腹痛(15%)、上気道感染(15%)、発熱(13%)、頭痛(13%)、貧血(13%)および嘔吐(12%)でした。副作用の大部分は、軽度から中等度(グレード1または2)でした。

CheckMate -76K試験について

 CheckMate -76K試験は、ステージⅡB/Cの悪性黒色腫の根治切除後の患者を対象に、術後補助療法としてオプジーボ480 mgを4週間間隔で最長12カ月投与する群をプラセボ群と比較評価した無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。
 本試験の主要評価項目は、無再発生存期間(RFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)、無遠隔転移生存期間(DMFS)、次治療での無増悪生存期間(PFS2)および安全性評価項目です。

悪性黒色腫について

 悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こります。世界保健機関は、2035年までに全世界における悪性黒色腫の罹患者数が424,102人に達し、関連死亡者数は94,308人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に見つかれば大部分が治療可能ですが、進行するにつれて生存率は低下します。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、欧州各国における価格設定および保険償還に関する交渉に起因して、本プレスリリースに記載された適応症でのオプジーボ(ニボルマブ)の商業化が遅延するまたは制限される可能性、本プレスリリースに記載された追加の適応症での承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性、本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。