2023.08.31
ライセンス

米国Twist社と自己免疫疾患に対する新規抗体医薬品の創製に関する創薬提携契約を締結

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本日、Twist Bioscience Corporation(米国、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ、最高経営責任者兼共同設立者 : Emily M. Leproust、以下「Twist社」)と、自己免疫疾患に対する革新的な抗体医薬品を創製することを目的とした創薬提携契約を締結しましたので、お知らせします。

 本契約に基づき、Twist社は同社独自の「Library of Libraries」を活用して、自己免疫疾患に対して当社が指定する治療標的に対する新規抗体の探索研究活動に取り組みます。Twist社のLibrary of Librariesは、天然に存在する配列に基づく、広範な合成抗体ライブラリのコレクションで、これらは抗体医薬品の標的を幅広くカバーするために、新規性の高い構造的特性と開発可能性を有しています。
 当社は、本提携から創製される抗体医薬品候補化合物を全世界で独占的に開発・製造・商業化する権利を有します。当社は、研究資金、臨床開発の進捗に応じたマイルストンおよび上市後の売上高に応じた段階的ロイヤルティをTwist社に支払います。

 当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野 十一は、次のように述べています。「当社は、自己免疫疾患を含めた幅広い疾患において、未だ満たされていない医療ニーズに応えるため、抗体医薬品を含め、バイオ医薬品の創製に積極的に取り組んでいます。今回、自己免疫疾患領域でTwist社と協働できることをうれしく思います。同社の抗体創製における専門性や多様で特異性の高い抗体ライブラリーの優れたコレクションが機能的な抗体候補をもたらすものと確信しています。本提携により、私たちが目指す抗体医薬品の創製を加速し、自己免疫疾患の患者さんにとって革新的な医薬品を一日も早くお届けできるものと確信しています。」

 Twist社の最高経営責任者兼共同設立者であるEmily M. Leproustは次のように述べています 。「小野薬品は、患者さんや研究者の方々に多大なインパクトをもたらした抗PD-1抗体であるオプジーボの開発をはじめ、必要とされる分野での抗体医薬品候補化合物の開発において確固たる実績を有しています。今回の提携により、Twist社の抗体創製の専門知識と小野薬品の医薬品開発の経験が結集され、自己免疫疾患の患者さんに画期的な治療選択肢を提供できるものと期待しています。」

Twist Bioscience Corporationについて

 Twist Bioscienceは、生物工学を産業化するために革新的なDNA合成プラットフォームを開発し、合成生物学およびゲノミクスの分野を急速に発展させているリーディングカンパニーです。このプラットフォームの中核となるのは、シリコンチップ上にDNAを「書き込む」ことで合成DNAを製造する新たな方法を開拓する独自の技術です。Twist社はこの独自の技術を活用し、人工遺伝子、次世代シーケンス(NGS)ライブラリ調製用ツール、創薬・開発用抗体ライブラリなど、合成DNAベースにした幅広い製品を製造しています。また、Twist社は、DNAへのデジタルデータストレージやバイオ医薬品の創薬において、より長期的な市場機会を追求しています。Twist社は、ヘルスケア、工業用化学品、農業、学術研究など多くの業界で使用される製品を製造しています。