2023.09.27
ライセンス

米国Adimab社とがん領域における新規抗体医薬品の創製に関する創薬提携契約を締結

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本日、完全ヒトモノクローナル抗体および二重特異性抗体の探索・最適化におけるグローバルリーダーであるAdimab, LLC(米国、ニューハンプシャー州レバノン、最高経営責任者: Philip Chase、以下「Adimab社」)と、がん領域における革新的な抗体医薬品を創製するため創薬提携契約を締結しましたので、お知らせします。

 本契約の締結に基づき、Adimab社は当社が指定する複数の標的に対する新規治療用抗体を探索し、二重特異性抗体医薬品候補を創製します。当社は非臨床および臨床段階でAdimab社が創製した二重特異性抗体医薬品候補の評価および開発を行います。
 当社は、本提携から創製される抗体医薬品候補を全世界で独占的に開発・製造・商業化する権利を獲得するオプション権を有します。また、当社は、契約一時金、研究資金、研究・臨床開発・承認プロセスの進捗に応じたマイルストンおよび上市後の売上高に応じた段階的ロイヤルティをAdimab社に支払います。

 当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野 十一は、次のように述べています。「当社は、がんを含めた幅広い疾患において、未だ満たされていない医療ニーズに応えるため、抗体医薬品を含め、バイオ医薬品の創製に積極的に取り組んでいます。今回、がん領域でAdimab社と協働できることをうれしく思います。同社が有する多重特異性抗体技術により、私たちが目指す新規の二重特異性抗体医薬品候補の創製を加速し、がん患者さんにとって革新的な抗体医薬品を一日も早くお届けできるものと確信しています。」

 Adimab社の最高事業責任者であるGuy Van Meterは、次のように述べています 。「抗体探索および二重特異性抗体創製における我々の技術を活用することで、今回、小野薬品と提携できたことを大変うれしく思います。我々はこれまでに全世界で105社以上のパートナーと提携しており、我々のパートナーリストに小野薬品を加えられたことに期待しています。今後、我々の技術を活用して、がん患者さんに新規の抗体医薬品を提供できるよう、治療用医薬品抗体の創製に小野薬品と協働していきます。」

Adimabについて

 Adimab社は、治療用医薬品抗体の創製およびエンジニアリング技術のリーディング企業です。この技術には、酵母やB細胞(マウスおよびヒト)の合成ライブラリからのナイーブな抗体の探索、抗体エンジニアリングと最適化、多重特異性抗体の創製、および二重特異性抗体を創製する目的で非独占的にライセンス供与されたCD3抗体ポートフォリオなどが含まれています。2009年以降、Adimab社は105社以上の製薬企業やバイオテック企業と提携し、475件以上の治療用抗体創製プロジェクトを手掛けており、60件以上のプロジェクトが臨床段階に移行し、1件のプロジェクトが承認されました。Adimab社の技術は、Biogen、GSK、Lilly、Merck、Novo Nordisk、武田薬品に導入されています。

 抗体創製技術および抗体改良技術が統合されたAdimab社の創薬プラットフォームを用いることにより、抗原調製から精製された完全長のヒトIgG抗体の獲得まで、比類ないスピードで達成することができます。抗体の親和性、抗体結合部位の網羅性、生物種間の交差反応性および開発可能性に対する最も厳しい基準を満たす治療用医薬品抗体の多様なパネルを提供することで、根幹となる利点を提供します。Adimab社は、広範な技術アクセス提携によりパートナー企業が迅速に抗体医薬品パイプラインを拡充することを可能にします。詳細は、 http://www.adimab.com をご参照ください。