2024.02.14
ライセンス

スイスNumab社と多重特異性抗体「NM49」に関するオプション・提携契約を締結

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本日、Numab Therapeutics AG 社(スイス、ホルゲン、最高経営責任者:David Urech、以下「Numab社」)と、がん領域においてNumab社が研究・開発を進める新規多重特異性マクロファージエンゲージャー「NM49」を開発・商業化することを目的としたオプション・提携契約を締結しましたので、お知らせします。

 本契約に基づき、当社はNM49を全世界で開発・商業化するためのオプション権を取得します。Numab社は、米国で当社と共同でNM49を開発・商業化するオプション権を留保します。当社は本契約締結時に一時金をNumab社に支払うとともに、当社がオプション権を行使後は開発の進捗に応じたマイルストンおよび上市後の売上高に応じたマイルストンと段階的なロイヤルティをNumab社に支払います。
 なお、オプション期間中は、Numab社が研究・開発を担い、当社がその費用を負担します。

 当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野 十一(Ph.D.)は、次のように述べています。「Numab社独自の多重特異性抗体プラットフォームから創製されたNM49の開発・商業化を通して、Numab社とのパートナーシップをより強固なものにできることを大変うれしく思います。当社のがん免疫療法に関する深い専門知識を最大限に活かし、がん患者さんの新たな治療選択肢として、一日も早くがん患者さんにNM49を届けられるよう開発・商業化に取り組んでいきます。」

 Numab社の創設者で最高経営責任者のDavid Urech(Ph.D.)は、次のように述べています。「本提携は小野薬品との3つ目の提携であり、Numab社が米国で共同開発・商業化のオプション権を留保する最初の提携となります。がん患者さんにとって新たな治療効果を発揮する可能性がある多重特異性抗体医薬品の開発で小野薬品と引き続き協力できることをたいへん喜ばしく思います。本提携により、私たちの開発パイプラインがさらに拡大し、研究開発活動の生産性の向上につながるものと期待しています。」

 2022年3月に、当社とNumab社は、がん免疫領域において本契約の対象とは異なる標的に対する多重特異性抗体医薬品候補に関する開発・ライセンス契約を締結しています。

Numab社について

 Numab社は、炎症とがんに対する多重特異性抗体ベースの免疫療法を開発しています。Numab社は、独自の創薬プラットフォーム「λ-Cap™」および「MATCH™」を使用した再現可能なプラグアンドプレイの治療設計プロセスにより、従来の抗体創薬が抱える課題を克服し、患者さんの利益を最大化することを目的とした新薬パイプラインの構築に取り組んでいます。Numab社の多様な研究開発パイプラインは、複数の治療領域に及び、次世代のファーストインクラスおよびベストインクラスの医薬品を創出する機会を生み出しています。大手製薬企業との複数の提携を通じて、Numab社の創薬プラットフォームと開発能力が実証されています。詳細については www.numab.com をご覧ください。