2021.09.17
研究開発

CheckMate -214試験の5年間のデータで、オプジーボとヤーボイの併用療法が、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者を対象とした第Ⅲ相試験でこれまでに報告されている全生存期間の中央値で過去最長を示す

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2021年9月16日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、ブリストル マイヤーズ スクイブのウェブサイト(https://www.bms.com/media/press-releases.html )をご参照ください。


Bristol Myers Squibb

本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年9月16日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

CheckMate -214試験の5年間のデータで、オプジーボとヤーボイの併用療法が、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者を対象とした第Ⅲ相試験でこれまでに報告されている全生存期間の中央値で過去最長を示す

  • 免疫療法薬の2剤併用療法を受けた患者の半数近くが、CheckMate -214試験での治療開始から5年時点で生存していました。
  • 5年間の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法は引き続き持続的な奏効を示し、全無作為化患者における奏効期間の中央値は未達でした。
  • データは、2021年欧州臨床腫瘍学会バーチャル総会で発表されます。

 (ニュージャージー州プリンストン、2021年9月16日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -214試験において、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法が、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者に対して、5年生存率が48%と、引き続き持続的な長期生存ベネフィットを示したことを発表しました。中央値67.7カ月の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、スニチニブと比較して、主要評価項目の患者集団である中リスクおよび高リスクの予後因子を有する患者ならびに全無作為化患者において、引き続き良好な全生存期間(OS)および奏効のベネフィットを示しました。
 中および高リスクの患者(847例)のうち、オプジーボとヤーボイの併用療法群(425例)では、5年以上にわたり治療効果が持続し、本試験の主要評価項目のうちOSおよび奏効率(ORR)の両方、ならびに副次評価項目において改善が持続しました:

  • OS:中および高リスクの患者におけるOSの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で47.0カ月、スニチニブ群で26.6カ月でした[ハザード比(HR)0.68;95%信頼区間 (CI):0.58 - 0.81]。5年生存率は、併用療法群で43%、スニチニブ群で31%でした。
  • ORR:オプジーボとヤーボイの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、ORRのベネフィットの持続を示しました(併用療法群42% vs スニチニブ群27%)。また、併用療法群ではより多くの患者が完全奏効を達成しました(併用療法群11% vs スニチニブ群2%)。
  • 奏効期間(DOR):DORの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で未達、スニチニブ群では19.7カ月でした。

 全無作為化患者、またはIntention-To-Treat(ITT)集団(1,096例)の解析では、オプジーボとヤーボイの併用療法群(550例)は、同様に長期ベネフィットを示しました:

  • OS:ITT集団におけるOSの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で55.7カ月で、スニチニブ群で38.4カ月であり、進行RCCを対象とした第Ⅲ相試験でこれまでに報告されている生存アウトカムで過去最長を示しました(HR 0.72;95% CI:0.62 - 0.85)。5年生存率は、併用療法群で48%、スニチニブ群で37%でした。
  • ORR:オプジーボとヤーボイの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続きより高いORR(併用療法群39% vs スニチニブ群32%)および完全奏効率(併用療法群12% vs スニチニブ群3%)を示しました。また、併用療法群ではより多くの患者が完全奏効を達成し、かつその後の病勢進行を認めませんでした(併用療法群9.6% vs スニチニブ群2.4%)。
  • DOR: DORの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で未達、スニチニブ群では24.8カ月でした。

 オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、確立された治療アルゴリズムを用いて管理可能であり、長期追跡調査において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。これらのデータは、2021年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会にて、2021年9月16日、午前8時30分(中央ヨーロッパ夏時間)にオンラインで発表されました(抄録番号#661P)。
 CheckMate -214試験の治験担当医師で、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、クリニカル・オンコロジーのJack and Dorothy Byrne Chairであり、泌尿生殖器がんサービス腎臓がん部門長のRobert J. Motzer(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -214試験の5年間のデータにより、進行腎細胞がんを対象とした同第Ⅲ相試験において、5年時点で半数近い患者さんが長期生存を果たしていたことが示されました。ニボルマブとイピリムマブの併用療法群では奏効期間の中央値が未達であるものの、同データはこの疾患を抱えている患者さんにおける同併用療法の持続的な効果を示しています。」
 ブリストル マイヤーズ スクイブの泌尿生殖器がん領域開発プログラム、バイスプレジデント兼責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「私たちが4年前のESMOで発表したCheckMate -214試験の初めての結果は、進行腎細胞がんに対する標準治療の変革を後押ししました。そして今、この疾患を対象とした免疫療法薬の併用療法の第Ⅲ相試験として過去最長の追跡調査により、オプジーボとヤーボイの併用療法による真に長期的な生存ベネフィットが示されています。腎細胞がんにおけるこれらの5年間のデータは、オプジーボとヤーボイによる併用療法ががん患者さんの生存アウトカムを変える上で果たし得る独自の役割に関して、他の複数のがん腫でも確認されているエビデンスをさらに強化するものです。」
 ESMOで発表されたCheckMate -214試験の5年間のデータには、条件としての生存期間の解析も含まれました。この解析は、患者が治療におけるマイルストーンを達成した後に、一定期間にわたり無事象(生存している、無増悪である、または奏効中である)を維持している確率を推定するものです。主な結果は以下のとおりです:

  • 治療開始から3年間生存した患者がさらに2年間生存した確率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で81%、スニチニブ群で72%でした。
  • 治療開始から3年間無増悪だった患者がさらに2年間無増悪を維持した確率は、併用療法群で89%、スニチニブ群で57%でした。
  • 治療に奏効し3年間奏効が持続していた患者がさらに2年間奏効を維持する確率は、併用療法群で89%、スニチニブ群で63%でした。

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -214 臨床試験に参加していただいた患者さんおよび治験担当医師に感謝の意を表明します。
 オプジーボとヤーボイを含む併用療法によるOSの有意な改善は、現在までに、進行腎細胞がん、非小細胞肺がん、転移性悪性黒色腫、悪性胸膜中皮腫および食道扁平上皮がんの5つのがん腫を対象とした6件の第Ⅲ相試験で示されています。

CheckMate -214試験について

 CheckMate -214試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法をスニチニブと比較評価した無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。併用療法群(550例)の患者は、オプジーボ3 mg/kgおよびヤーボイ1 mg/kgを3週間間隔で計4回投与され、その後オプジーボ3 mg/kgを2週間間隔で投与されました。対照群の患者(546例)は、スニチニブ50 mgを1日1回、4週間投与され、その後2週間休薬した後に、投与を継続しました。投与は、病勢進行もしくは忍容できない毒性が認められるまで、最長2年間にわたり継続されました。本試験の主要評価項目は、中および高リスク患者集団(患者の約75%)における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)です。ORRは、独立放射線評価委員会(IRRC)によって評価されました。

腎細胞がんについて

 腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんで最も一般的な型であり、毎年、世界で431,000人以上が新たに診断され、179,000人以上の方が亡くなっています。RCCは男性が女性の約2倍多く発症し、罹患率は北米と欧州で特に高くなっています。世界的に、転移性または進行期の腎臓がんと診断された患者の5年生存率は13%です。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

ヤーボイについて

 ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CLTA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイはCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞の活性化と増殖など、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、ヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50カ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。

オプジーボおよびヤーボイの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボおよびヤーボイの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebook およびInstagram をご覧ください。
 セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、将来の市販後の試験結果が本試験の結果と一致する可能性、オプジーボとヤーボイの併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功する可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、およびそのような併用療法のそのような追加の適応症の承認の継続が追加の検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2020年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。