2022.01.05
研究開発

OPDIVO® 20mg、100mg Inj. 台湾において食道がんまたは胃食道接合部がんにおける術後補助療法に対する効能又は効果の追加承認を取得

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、当社)は、台湾の現地法人である台灣小野藥品工業股份有限公司(以下、台湾小野)が、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「OPDIVO®(一般名:ニボルマブ)20mg、100mg Inj.」(以下、オプジーボ)について、2021年12月29日に、「術前補助化学放射線療法を受け病理学的残存病変を認めた完全切除後の食道がんまたは胃食道接合部がん患者の術後補助療法」に対する効能又は効果の追加承認を台湾食品薬物管理局(TFDA)から取得しましたので、お知らせします。

 今回の承認は、食道がんまたは胃食道接合部がん切除後患者の術後補助療法として、オプジーボ単剤療法をプラセボと比較評価した多施設国際共同無作為化二重盲検第Ⅲ相試験であるCheckMate -577試験(ONO-4538-43)の結果に基づいています。本試験において、オプジーボ単剤療法群は、プラセボ群と比較して、主要評価項目である無病生存期間(DFS)で統計学的に有意な延長を示しました。本試験におけるオプジーボ単剤療法の安全性プロファイルは、オプジーボ単剤療法でこれまでに認められているものと一貫していました。

CheckMate -577試験(ONO-4538-43)について

 CheckMate -577試験は、術前補助化学放射線療法(CRT)を受け、病理学的に完全奏効が得られなかった食道がんまたは胃食道接合部がん切除後患者の術後補助療法として、オプジーボ単剤療法を評価した多施設国際共同無作為化二重盲検第Ⅲ相試験です。患者は、術前補助CRTおよび外科的完全腫瘍切除(トリモダリティ治療)後に、オプジーボ単剤療法群またはプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けられました。オプジーボ単剤療法群では、オプジーボ240 mgを2週間間隔で16週間、その後オプジーボ480 mgを4週間間隔で投与しました。投与は、再発または忍容できない毒性が認められるまで、あるいは患者が同意を撤回するまで、最長1年の治療期間にわたり継続されました。本試験の主要評価項目は無病生存期間(DFS)であり、副次評価項目は全生存期間(OS)です。

食道がんおよび胃食道接合部がんについて

 食道がんは、食道の内面を覆っている粘膜から発生する悪性腫瘍で、大きくなると深層(外側)に向かって増殖します。食道がんは主に扁平上皮がんと腺がんの二つの組織型に分類され、台湾では、扁平上皮がんが約90%を占めています。台湾では、年間約2,800人 1)が新たに食道がんと診断され、年間約1,900人 1)の死亡が報告されています。胃食道接合部がんは、食道下部と胃が接続する領域に発生する悪性腫瘍です 2)

オプジーボについて

 オプジーボは、programmed cell death-1(PD-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、日本で2014年7月に悪性黒色腫で承認を取得以降、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。現在、日本、台湾、韓国、中国、米国およびEUを含む65カ国以上で承認されています。
 日本では、当社が2014年9月に「根治切除不能な悪性黒色腫」の治療薬として発売しました。その後、2015年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、2016年8月に「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」、2016年12月に「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」、2017年3月に「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」、2017年9月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌」、2018年8月に「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」、2020年2月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」と「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌」、および2021年12月に「原発不明癌」の効能又は効果の追加承認を取得しました。
 また、尿路上皮がんの効能又は効果の追加の承認申請をしており、肝細胞がん、卵巣がん、膀胱がん、前立腺がん、膵がん、胆道がん等を対象とした臨床試験も実施中です。

小野薬品工業株式会社とブリストル マイヤーズ スクイブの提携について

 2011年、当社は、ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)と締結した提携契約により、当時、当社がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014年7月、当社とBMSは、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単独療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

台灣小野藥品工業股份有限公司について

 台灣小野藥品工業股份有限公司(所在地:台湾・台北市、以下、OPTW)は、2014年12月に設立された小野薬品工業株式会社の100%出資の現地法人です。OPTWは台湾での自社販売体制を構築し、2016年から抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤、オプジーボを自社販売しています。また、台湾の患者さんにアンメット・メディカルニーズを満たすさらなる革新的な新製品を一日も早くお届けするように取り組んでいます。